SNSの普及に伴い、手作り家庭料理の写真や動画を投稿するような料理ブームが巻き起こっている昨今、大手家電メーカーが高性能で使い勝手のよいオーブンレンジの開発をしています。
オーブンレンジのメイン機能である「温め」ひとつ取ってもさまざまな方式のものがあります。
この記事では米・食味鑑定士の資格を所有し、調理家電のための空間「コヤマキッチン」を所有する家電ライターのコヤマタカヒロさんにオーブンレンジの選び方や種類を伺いました。
編集部おすすめのオーブンレンジもご紹介しますので、参考にしてみてください。

オーブンレンジの選び方
オーブンは火が通りにくい食品の加熱に適しており、オーブン内を熱で温めて焼くことに対して、電子レンジはマイクロ波が食品の中にある水分子を振動させ、食品を温めます。
そして、オーブンレンジはオーブンと電子レンジの機能を両方搭載しています。まずはオーブンレンジの選び方をご紹介します。
オーブンレンジの容量で選ぶ
まずは、オーブンレンジの容量で選びましょう。あくまでも目安ですが、一般的には家族構成や用途によってサイズを決めるのがよいでしょう。
- 〜20L (1人暮らし向け)
- 20〜25L (2人家族向け)
- 25〜30L (3〜4人家族向け)
- 30L〜 (5人以上の大家族向け)
大きい容量のオーブンレンジでは二段構造になっているものもあり、パンを焼くことができるタイプのものもあります。
大家族でもオーブンレンジを使用する機会が少ないようなら、大きい容量ではなく、20L〜25Lのオーブンレンジがおすすめです。
オーブンレンジの機能の有無で選ぶ

続いて大事なのは、どんな機能を使うかです。料理が好きで多彩なおかずを調理したいなら上位モデルがおすすめです。
ただし、「温め」や「解凍」のような基本的な機能しか使わずにオーブン調理はあまりしないという場合は、単機能レンジを選ぶ方法もあります。
また、過剰に摂取している塩分や脂質を減らしたいのであれば、減塩脱脂調理や過熱水蒸気による調理機能が充実したモデルを選ぶとよいでしょう。
減塩脱脂調理は、庫内のスチームをオーブンヒーターで100度以上に高めることで、脂や塩分を落とすヘルシーな調理方法です。
オーブンレンジの種類
オーブンレンジには主に3つのタイプがあるため、種類で選ぶ方法もあります。
ヒーターの露出があるタイプ
オーブンだけでなくグリル調理ができるタイプです。天井からの高火力で調理ができます。
ただし、油分がヒーターに付着して掃除がしにくいというデメリットがあります。現在は生産数が減少傾向にあり、選択肢は少なくなっています。
ヒーターの露出がないタイプ
一般的なオーブンレンジのタイプです。ターンテーブルタイプとフラットタイプの2種類に分けられており、ターンテーブルタイプは、食品を回転させることで全体にまんべんなく熱を当てることを目的に誕生しました。ただし、大きいサイズの食品を温めると、庫内にぶつかり温めにムラができる場合があります。
フラットタイプは、ターンテーブルを撤廃したことにより、庫内のスペースが広くなり、大きな食品も温められるようになりました。また、このタイプは簡単に掃除できることもメリットです。
上位機種ではフラットヒーターでグリル調理ができるものも登場しています。
熱風循環加熱方式タイプ
ヒーターで庫内を高温にしてから熱で全体を包み込むように加熱する方式です。
ムラなく調理できることから業務用として使用されていましたが、最近は家庭用のオーブンレンジにも採用されています。
オーブンレンジおすすめ12選|家族形態別にご紹介
ここからは「大家族向け」「2人〜3人向け」「1人暮らし向け」の方に分けて、おすすめのオーブンレンジをご紹介します。
大家族向けオーブンレンジおすすめ4選
頻繁にオーブンレンジを使用するのであれば、機能性だけではなく信頼できるメーカー選びも大切です。また、調理をフォローしてくれる機能面もチェックしましょう。
2人~3人向けのオーブンレンジおすすめ4選
2人〜3人向けにおすすめのオーブンレンジはコンパクト設計かつ性能に優れているものがおすすめです。
限られたキッチンスペースに合わせて家電のサイズを選びつつ、調理に必要な機能を加味して、最適なオーブンレンジを選びましょう。
1人暮らし向けオーブンレンジおすすめ4選
一人暮らしの方はとくに「仕事から帰ってきてアツアツのご飯が食べたいけど今から料理するのは面倒」と感じている方が多いのではないでしょうか。
そこで、シンプルながらお惣菜などを美味しく温めるものから、料理好きには嬉しい自動メニューを搭載したモデルまでおすすめ商品をご紹介します。
オーブンレンジの主要メーカーの特徴
オーブンレンジの主要メーカーである「パナソニック」「シャープ」「東芝」の特徴をご紹介します。
パナソニック
「忙しい平日の夜も、できたてのごちそうを食卓に。」をコンセプトにするパナソニックは、時短調理機能が充実しているのが特徴で、大家族向けにおすすめです。
上位モデルのビストロはグリルによる焼き機能が利用できます。「焼く・蒸す・煮る・揚げる」を1台に集約しているので、コストパフォーマンスの高さが魅力です。
また、火加減の難しいとろみを調理できる「とろみセンシング」や時短につながる機能の搭載など、短時間で美味しく料理を作りたい方に向けた機能が充実しています。
シャープ
オーブンレンジに過熱水蒸気調理機能を採用したヘルシオシリーズが有名です。「美味しいのにヘルシー」という健康志向な調理方法に定評があります。食材の品質をキープするのではなく、出来立てのような仕上がりを提供しています。
上位モデルには、独自のセンサーシステムで温度・湿度を最適にするほか、AIとの音声対話で献立相談が可能な機能も搭載しています。無線LAN機能搭載なので、設置場所を限定されることもありません。
東芝
数多くの食材の調理に対応できる石窯ドームを採用したシリーズが特徴です。焼き物や揚げ物だけではなく、自家製パンを焼く方たちに人気です。赤外線センサーにより、食材を判別して適切な温度管理で料理を仕上げます。
ハイグレードなモデルには、業界最高といえる350℃の贅沢火力が可能になっています。高火力と熱対流の組み合わせにより、中までしっかり火を通すことができます。料理が苦手な方にもおすすめです。
オーブンレンジを買い替えるタイミングは?

オーブンレンジを長く愛用すると、「止まる」「温まらない」「異音がする」などの不具合がいずれ生じます。こういった操作や機能に問題が発生したタイミングが買い替えの時です。
オーブンレンジはシーズンによる価格変化の影響を受けないので、劇的に安くなることは少ないですが、新製品が発売される時期になると、古い型番は安くなる傾向があります。
あらかじめ欲しい商品をリストアップしておきつつ、購入のタイミングを測りましょう。
オーブンレンジの便利な使い方

最近はワンボウルでパスタやそうめんなどを作るレシピが広がっています。 ワンボウルメニューを搭載しているモデルでは、ひとつのボウルに食材を入れて混ぜるだけで料理ができるので、暑い季節にコンロを使うことなく手軽に料理できます。
また、最近のモデルは同時調理機能を搭載するモデルも増えてきており、「焼く・蒸す・揚げる」といった異なる調理方法が可能です。料理のバリエーションが広がるだけではなく、時短も期待されています。
さらに、AI機能が搭載されたモデルでは食材を自動で判別し、適切な温度設定してくれる商品もあります。自宅で簡単に美味しいパンを作ることも可能です。
オーブンレンジの使用上の注意

一番危険なのは発火です。ソースや液体などの汚れが庫内にこびり付いたまま放置していると、その部分にマイクロ波が集中し、高熱を帯びて発火する場合があります。こまめな掃除を心がけましょう。
また、小さいお子さまの手の届く位置にある場合、誤って調理中に開けてしまい、火傷や感電する恐れがあります。高くて水平な場所に設置することでトラブルを避けられます。
なお、オーブン調理では高温になるため、製品ごとに壁や周囲の家電製品との距離が決まっています。取扱説明書に記載されているので、オーブンレンジを購入する際は機能性だけではなく、キッチン空間にも考慮して選んでください。
まとめ
技術の進歩に伴い、1台で数多くの性能が搭載されたオーブンレンジが登場しています。同時調理機能や自動調理機能など、効率よくクオリティの高い料理を作ることが可能になり、日々の生活を変えるようなオーブンレンジがたくさんあります。
ご自身の用途を明確にすることがオーブンレンジ選びの第一歩です。
ぜひご紹介したオーブンレンジで料理を楽しみましょう。