頬やあごなどにニキビが繰り返しできてしまい悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
肌の状態をよくするためには洗顔が大切です。肌にあった洗顔料を選んで正しい洗い方をすることで、ニキビを防げます。
しかし、思春期ニキビ、大人ニキビなど、ニキビができる原因はさまざまです。また、女性と男性の肌では原因は異なります。
今回は、美容クリニック「あおいクリニック銀座」で院長を務める中野あおい先生監修のもと、ニキビ肌向け洗顔料について詳しく解説します。
編集部おすすめの商品もご紹介しますので、ニキビに悩んでいる方はぜひチェックしてみてください。
- ニキビ肌の原因とは?皮膚科医が解説
- 思春期ニキビ、大人ニキビの原因とは
- ニキビの原因は女性と男性で違う?
- ニキビ肌向け洗顔料の選び方
- ニキビ肌を刺激しない成分で選ぶ
- ニキビ肌向けにつくられた商品かどうかも重要なポイント
- 有効成分が含まれている医薬部外品かどうかもチェック
- 洗顔料のテクスチャータイプは大きく分けて3種類
- ニキビ肌向け洗顔料おすすめ28選|テクスチャータイプ別にご紹介
- ニキビ肌向け洗顔料おすすめ18選【クリーム(フォーム)タイプ】
- ニキビ肌向け洗顔料おすすめ4選【泡で出てくるタイプ】
- ニキビ肌向け洗顔料おすすめ6選【固形石けん(ソープ)タイプ】
- ニキビ肌を悪化させないための正しい洗顔方法は?専門家のアドバイス付き
- まとめ

ニキビ肌の原因とは?皮膚科医が解説
繰り返しできてしまうニキビを治したいなら、まずはニキビができてしまう原因を知るところから始めましょう。原因を知ることでニキビ対策がしやすくなります。
ニキビの原因について、あおいクリニック銀座院長・中野あおい先生に詳しく教えていただきました。
思春期ニキビ、大人ニキビの原因とは

ニキビといっても、10代にできる「思春期ニキビ」と20代以降にできる「大人ニキビ」とでは、できる原因が異なります。
思春期ニキビの原因
思春期ニキビができる10代は、第二次成長期にあたります。原因のひとつとして考えられるのが、ニキビが増える作用を持つホルモンの分泌が増えることです。

中野 あおい
あおいクリニック銀座 院長
たとえば、男性ホルモンやプロジェステロン、ステロイドホルモンなどのホルモンが増加します。
男性ホルモンやプロジェステロンは、皮脂分泌が多くなるという同じ作用を持っており、ステロイドホルモンはニキビを増やす作用があります。
大人ニキビの原因
大人ニキビの原因はさまざまですが、そのひとつとして、ストレスなどによりホルモンバランスが悪くなることが考えられます。

中野 あおい
あおいクリニック銀座 院長
たとえば、女性ホルモンであるエストロジェンとプロジェステロンのバランスが悪くなります。
エストロジェンは肌をきれいにする作用がありますが、一方で、プロジェステロンは皮脂分泌を促進する作用があります。
この2つのホルモンバランスが悪くなることで皮脂分泌が多くなり、ニキビが出やすくなってしまいます。さらに大人ニキビには、男性ホルモンが多くなることも原因のひとつです。

中野 あおい
あおいクリニック銀座 院長
もともと女性にも男性ホルモンは少量存在しますが、ストレスなどによって男性ホルモンが増加します。
ストレスなどによって、ニキビを増やす作用があるステロイドホルモンの分泌が増え、ニキビが出やすくなります。
ニキビの原因は女性と男性で違う?

ニキビの原因には、男女の違いも関係します。

中野 あおい
あおいクリニック銀座 院長
女性の場合、前述の通りストレスなどによってホルモンバランスが悪化することが多くの原因です。
男性の場合、男性ホルモンやステロイドホルモンの分泌がもともと女性よりも多い傾向にあります。そのため皮脂分泌が多く、結果的にニキビが出やすくなっているのです。
このようなさまざまな原因によって皮脂腺が詰まり、そこでアクネ菌が繁殖し、炎症を起こすことでニキビが発生します。
ニキビ肌向け洗顔料の選び方
続いて、ニキビ肌向け洗顔料の選び方をチェックしていきましょう。
肌を知り尽くした中野先生に、選び方のポイントを詳しく教えていただきました。
ニキビ肌を刺激しない成分で選ぶ

できてしまったニキビに刺激を与えないためには、ニキビ肌を刺激しない成分で作られた洗顔料を選びましょう。
ニキビ肌におすすめの成分は、「非イオン系界面活性剤」です。皮膚刺激の指標となるタンパク変性が低いとされているため、刺激が少ないのが特徴です。
非イオン系界面活性剤に含まれる成分は、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、イソステアリン酸PEG‐3グリセリル、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、PPG-14ジグリセリルなどです。
さらに、肌への刺激や負担になる可能性がある人工添加物などが使用されていないかどうかもチェックしましょう。
「香料無添加」「防腐剤無添加」「合成界面活性剤無添加」「アルコールフリー」などの表記を確認し、余計な成分が添加されていないものは、肌への刺激も少ないといえます。
ニキビ肌向けにつくられた商品かどうかも重要なポイント

含まれている成分などの専門的な知識がよくわからないというときには、ニキビ肌向けに作られた商品から選ぶのがおすすめです。
「ノンコメドジェニックテスト済み」のもの
ニキビ肌向けを選ぶときに、まずチェックしておきたいのが「ノンコメドジェニックテスト済み」の商品かどうかです。

中野 あおい
あおいクリニック銀座 院長
「ノンコメドジェニックテスト」とは、皮脂腺の多いヒトの背中に試験サンプルを複数回繰り返し塗布し、最終的に組織学検査をしてコメドが形成されているかどうかを調べるテストのことです。
ノンコメドジェニックテストによって、コメドを誘発しにくいと証明された商品には「ノンコメドジェニックテスト済み」と表記されています。
アクネ菌へのアプローチができるもの
ニキビ肌向けの洗顔料を選ぶときは、「アクネ菌対策」「アクネ菌を殺菌」など、アクネ菌にアプローチする商品もチェックしておきましょう。
前述のとおりそもそもニキビとは、皮脂腺が詰まり、そこでアクネ菌が繁殖して炎症を起こすことでできるものです。アクネ菌は肌の常在菌で、皮脂が大好物。皮脂が増えすぎるとアクネ菌も増え、その結果ニキビとなります。

中野 あおい
あおいクリニック銀座 院長
「アクネ菌対策」とは、アクネ菌の増殖を防ぐことです。アクネ菌の増殖を防ぐためには、角質の詰まった毛穴という環境にしないことが大切です。
ストレスや肌の乾燥により皮脂分泌が増えるので、丁寧な保湿ケアやストレスの対策などが必要となります。
そのほか、「皮脂対策」などと記載された洗顔料もニキビ肌にはおすすめです。
有効成分が含まれている医薬部外品かどうかもチェック

「ニキビ対策しても、繰り返しニキビができてしまう…」と悩んでいる方は、有効成分が一定数使用されている医薬部外品を選んでみるのがおすすめです。
ニキビ肌向けの洗顔料によく使用される代表的な6つの有効成分について、中野先生に教えていただきました。
- グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)
甘草に含まれる成分で、すぐれた抗炎症作用を持っています。ニキビの炎症を抑えて肌荒れを防ぎ、肌を整えます。 - グリチルレチン酸ステアリル
甘草から抽出されたグリチルリチン酸を加水分解し、ステアリルアルコールをエステル結合した成分です。ニキビの炎症を抑え肌荒れを防ぎます。比較的抗炎症効果が高く、抗アレルギー作用も持っています。 - アラントイン
羊の羊膜から発見された成分です。尿素から合成されて作られることもあります。ニキビの炎症を抑え、ニキビ跡の修復にも作用します。また、組織修復賦活作用・抗刺激作用・消炎鎮痛作用・抗アレルギー作用もあります。 - シメン-5-オール
タチジャコウソウに含まれる疎水性のフェノール誘導体です。また、化粧品自体に抗菌・防腐作用があります。アクネ菌増殖抑制作用や抗菌作用があり、アクネ菌の増殖を防いでニキビを予防します。 - サリチル酸
角質軟化作用のあるベータヒドロキシ酸の一種です。ニキビの毛穴詰まり・角栓・角質の肥厚を除去し、毛穴を正常な状態に保ちニキビを予防します。また、古い角質が除去されることで肌のターンオーバーが整います。 - イソプロピルメチルフェノール
強い殺菌作用があり、ハンドソープや薬用石けんなどに多く使われている成分です。ニキビのもととなるアクネ菌を毛穴の奥まで殺菌する作用があります。
洗顔料のテクスチャータイプは大きく分けて3種類
洗顔料には、クリーム(フォーム)タイプ、固形石けんタイプといった自分で泡立てて使うタイプや、ポンプから泡で出てくるタイプなど、さまざまなテクスチャータイプがあります。
使い方や特徴をチェックして、ご自身にあったタイプを選んでいきましょう。
クリーム(フォーム)タイプ

クリーム(フォーム)は最も一般的な洗顔料で、洗顔フォーム、ウォッシングフォームと呼ばれるのがこのタイプです。チューブの容器に入っていて、手軽に使いやすいのが特徴です。
泡立てネットを使うと簡単にモコモコとキメの細かい泡が立ち、刺激を受けやすいニキビ肌に摩擦をかけにくいのがポイントです。
使用されている有効成分や保湿成分などの違いにより商品のバリエーションが多く、ご自身の肌にあった洗顔料が見つけやすいというメリットがあります。
泡で出てくるタイプ

ポンプをプッシュするだけで泡が出てくるタイプは、泡立てが不要なので時短ができるのがメリットです。忙しい朝でもサッと洗顔ができます。
濃密泡やゆるめの泡など泡立ちは商品によって異なるので、好みにあわせて選びましょう。
固形石けん(ソープ)タイプ

ニキビ肌向けでは「アクネソープ」などと呼ばれて販売されることが多い固形石けん(ソープ)タイプです。天然成分などを使用してつくられることが多く、比較的肌にやさしいという特徴があります。
また、フォームタイプのように出しすぎてしまうことがないため、長持ちしやすくコスパもよいです。
ただし、浴室に置いておくと溶けやすかったり、保管のためにソープディッシュが必要だったりするのがデメリットです。
ニキビ肌向け洗顔料おすすめ28選|テクスチャータイプ別にご紹介
選び方をもとに、編集部が厳選したニキビ肌向けの洗顔料をご紹介します。クリーム(フォーム)タイプ、泡で出てくるタイプ、固形石けんタイプとテクスチャータイプ別にセレクトしました。
女性はもちろん、メンズにも使える商品もピックアップしています。ぜひチェックしてみてくださいね。
ニキビ肌向け洗顔料おすすめ18選【クリーム(フォーム)タイプ】
まずは、ニキビ肌向けの洗顔料でもっともバリエーションの多いクリーム(フォーム)タイプからご紹介します。
ニキビ肌向け洗顔料おすすめ4選【泡で出てくるタイプ】
続いて、ワンプッシュで泡が出てくるタイプのニキビ肌向け洗顔料をご紹介します。
ニキビ肌向け洗顔料おすすめ6選【固形石けん(ソープ)タイプ】
最後に、比較的肌にやさしい固形石けん(ソープ)タイプをご紹介していきます。
ニキビ肌を悪化させないための正しい洗顔方法は?専門家のアドバイス付き

今できてしまっているニキビを悪化させないためには、ニキビ肌用の洗顔料を使うことはもちろん、正しい方法で洗顔することがとても重要となります。
中野先生に、正しい洗顔方法を教えていただいたので、ぜひ試してみてください。
- あらかじめ手を洗って清潔にする
手に皮脂や汚れがついていると泡立ちにくくなるため、洗顔料を泡立てる前に手を洗って清潔にしておきましょう。 - 洗顔料をたっぷり泡立てる
肌を傷つけることなく洗顔料を行き渡らせるために、十分に泡立てます。メレンゲのようにキメ細かく泡立て、量はレモン1個分が目安です。手で泡立てにくい場合は、泡立てネットを使いましょう。 - Tゾーンから洗いはじめて、顔全体を泡で優しく洗う
洗う順番は、まずTゾーンを洗い、次に頬などの面積が広い部分、皮膚が薄い部分を洗います。目元や口元はサッとひとなでするくらいで問題ないです。
この順番で洗うことによって、泡が肌にのっている時間に差がつき、汚れの多い部分はよく落ち、肌の薄い部分はダメージを最小限に抑えられます。
泡が手と顔の間でクッションになるようこすらずやさしく洗うのがニキビを刺激しないポイントです。 - たっぷりのぬるま湯で泡を洗い流す
しっかりと汚れを落とすために、たっぷりのぬるま湯で念入りに洗い流しましょう。ぬるま湯がいちばん汚れを落としやすいです。
ぬるま湯は32〜33℃の温度で、自分の体温より少し低い温度がおすすめです。洗い流すときもニキビをこすらないように気をつけましょう。 - 清潔なタオルで優しく拭き取る
清潔なタオルを使用し、こすらずおさえるように軽くあてながら拭き取りましょう。

中野 あおい
あおいクリニック銀座 院長
洗顔の際は、とにかくこすらないように注意しましょう!
まとめ
今回は、ニキビ肌用洗顔料の選び方からおすすめ商品まで、詳しくご紹介してきました。「これまで何となく選んできた…」という方も、選ぶポイントがつかめたのではないでしょうか。
中野あおい先生によるアドバイスをもとに、ニキビ対策ができる洗顔料をしっかり選んで正しい洗顔方法で毎日肌を清潔に保ちましょう。