1日の疲れを癒してくれるバスタイムをさらに上質な時間に変えてくれるのがバスオイル。ひと口にバスオイルと言っても、香りや成分、直接肌に塗れるかどうかなど、製品によってさまざまです。
今回は、生活習慣改善サロン「Flura」主宰、眠りとお風呂の専門家である小林麻利子さんに、バスオイルの役割や選び方を伺いました。
ポイントをもとに、プチプラと高級ブランドに分け編集部おすすめ商品も紹介します。
小林さんには 「保存方法」や「追い炊き」など、バスオイルについてのよくある疑問にもお答えいただいたので、ぜひチェックしてみてください。
バスオイルとは?眠りとお風呂の専門家が役割についても解説
入浴時にバスオイルを使えば、心地よい香りを楽しんだり、香りからくるリラックス効果やリフレッシュ効果を得られます。さらにバスオイルにはお湯を柔らかくしたり、肌の保湿度を高める作用もあるのです。
例えばバスオイル以外の入浴剤では、硫酸ナトリウムのような温浴作用のあるものや、炭酸水素ナトリウムとフマル酸やクエン酸などを合わせた炭酸ガス入浴剤のように、高い温熱効果が得られるものがあります。
液体の入浴剤には保湿力を高めるものが多く、バスソルトは塩の力で保温効果を高めてくれます。
しかし、これらの入浴剤には人工香料がよく使われています。それに比べバスオイルは天然精油(植物から抽出した油)を使って作られているものが多く、人工香料があまり使われていないことが特徴です。
バスオイルも入浴剤も、それぞれ目的に応じて使いわけるとよいでしょう。
小林 麻利子
SleepLIVE株式会社代表取締役。生活習慣改善サロン「Flura」主宰。 睡眠改善インストラクター、温泉入浴指導員
バスオイルはお湯の中に入れる量が少ないので、体への大きな作用はないと考えられますが、オイルや保湿剤が使われていることが多いので、さら湯で入るよりは乾燥を防ぐことができます。
とはいっても、肌に直接保湿剤を塗るのと同等の保湿効果をバスオイルから得ようと思うと、浴槽がベトベトになるくらいバスオイルを入れなければなりません。ですから、乾燥が気になる冬などは、バスオイルだけでなく、お風呂上りにクリームやオイルなどを肌に塗った方が安心です。
バスオイルの選び方
香りがよくさまざまな種類があるバスオイルですが、どんなところに気をつけて選ぶとよいのでしょうか?
ぴったりなものがみつかる選び方をご紹介します。専門家の小林麻利子さんのコメントも必見です。
香りで選ぶ|お気に入りの香りとぴったりの作用でリラックス
香りによって入浴時の気分を変えることができるバスオイル。お気に入りの香りを見つけて、リラックスしたいですよね。
いろいろな香りがあって、何を選べばいいかわからない方のために、それぞれの香りの特徴と作用をご紹介します。
- 柑橘系(シトラス系)の香り
不安や憂鬱な気持ちを和らげてくれるので、入浴を幸せな時間にしたい方や初めてバスオイルを使う方にもおすすめ。 - ミントの香り
スッキリとした清涼感があるので、暑い季節の入浴や疲れを取りたい方、気分爽快リフレッシュしたい方に。 - ウッディーやラベンダーの香り
リラックス効果があるので、今日はぐっすり眠りたいときや、心を落ち着けたい方にぴったり。 - フローラルの香り
癖のない人気の香りです。一つの花の香りがするものから、複数の花の香りがするものまで楽しめます。中でもバラの香りは、心を安らげたいときにおすすめ。 - ローズマリーの香り
やわらかくすっきりとしたハーブ系の香りです。体の疲れを癒してくれるので、疲れている方にぴったり。 - カモミールの香り
フルーティーなハーブ系の香り。花粉症など、体の調子が悪いときにおすすめです。
成分で選ぶ|天然精油・無着色のものを
肌に触れるものだから、成分は重視したいポイントですよね。とはいえ、バスオイルの成分にはどういったものがあるのか分からない方も多いと思います。
そこで、バスオイルのいろいろな成分についてご紹介します。
天然精油でアロマテラピー効果
香りを楽しむバスオイルは、天然精油や植物油脂などで香りづけされているものが安心。
同じブランドの中でも、ある商品は天然精油のみでできているのに、別の商品は人工香料が使われている…なんてこともあります。ローズやジャスミン等の精油は高価なため、人工香料に代替えされることも。
肌に塗る化粧品でさえも人工香料が使われているので、お風呂の中に入れたくらいで、そこまで体に影響があるとは言えませんが、アロマテラピーの効果を得たいのであれば、やはり天然香料の方が安心。
天然精油なら肌に影響が全くないわけではありません。個人差もありますので、はじめは少量ずつ使用しましょう。
また、天然精油は揮発性がある上香りが鈍化しやすく、入浴中に香りが消えてしまうことも。その場合は、人工香料を選択するのもひとつの手です。
普段使っている香水の香りや、取引制限のあるムスク(動物の分泌物から抽出される香料)の香りなどは、人工香料ならではの香りと言えます。
- アロマテラピー効果が得られる
- 香りが鈍化しやすい
- 精油によっては高価
- 香りが持続する
- 人工香料ならではの香りもある
- 精油に比べて安価
無着色のもので肌への悪影響を防ぐ
コストを抑えたり、魅力的な商品に見せるため使用されることの多い着色料。
肌にアレルギー反応を起こしたり、体に悪い影響がある場合もあるため、成分が気になる方や、敏感肌の方や、体に気をつけたい方は無添加のものを選ぶといいでしょう。
また、着色料の使用有無をインターネットで調べてから買うのもおすすめ。
着色料以外の成分でも、直接肌に触れるものだからこそ、アレルギー反応が起こる可能性も。赤〇、黄△などタール色素が入っているものは、アレルギー性の皮膚炎になる方もいるので注意が必要です。
ボディオイルにもなるものを選ぶ|マッサージでさらに癒し効果
お湯に溶かして使用するものが一般的ですが、中には肌に直接塗布でき、ボディオイルと併用できるものもあります。精油とキャリアオイル(精油を薄めるための植物油)が主成分になっているものは、お湯に入りながら肌をマッサージすることも可能。
肌に直接塗れるのであれば、もちろん肌に優しい可能性も高いです。
また、ボディオイルを買うとなるとお金がかかることも多く、ボディオイルと併用できるバスオイルはコスパが抜群。洗面所にも、ものが増えずに済みます。
本来オイルは水に溶けないので、油が浮いたりしてお風呂場の掃除が大変になることも。直接肌に塗る場合は、水に溶けやすい成分かどうかも確認するとよいでしょう。
小林 麻利子
SleepLIVE株式会社代表取締役。生活習慣改善サロン「Flura」主宰。 睡眠改善インストラクター、温泉入浴指導員
バスオイルの中には、乳化剤が入っていて水に溶けやすくなっているものもありますが、肌に塗れるタイプは乳化剤が入っていないことがほとんどなので、目的に応じて選んでください。
色やデザインで選ぶ|置くだけで気分の上がるバスタイムに
その他の選び方として、見た目で選ぶのもおすすめです。夏は寒色系の色で涼しく、冬は暖色系の色で暖かく、などの視覚情報からくるリラックス効果も期待できます。
また、容器のデザインがおしゃれなものもあります。置くだけで、きっといつもより気分の上がるバスタイムになりそうですね。
バスオイルおすすめ17選|編集部が厳選
ここからは編集部がセレクトしたおすすめ商品をご紹介します。
衝動買いできる「プチプラブランド」とプレゼントにもおすすめな「高級品ブランド」の2つに分けてお届けします。
バスオイルおすすめ13選|プチプラブランド
まずは専門家「プチプラブランド」です。
低価格ながらオーガニックを実現しているものや、ジャスミンと洋梨のうっとりとする甘い香り、アロマティックハーブなどのオイルも紹介します。初めてのバスオイルはこの中から選んでみてはいかがでしょうか。
バスオイルおすすめ4選|デパコスブランド
続いて、編集部おすすめの高級ブランド、通称デパコスブランドのバスオイルです。
世界の名だたるブランドから国産のオイルまで勢ぞろい。天然由来の直接肌に塗れるオイルや、人工香料の絶妙なブレンドオイルなど、今日までファンに愛され続けてきたオイルを紹介します。
バスオイルの使い方
バスオイルの使い方は、沸かしたお湯にオイルを入れて混ぜるだけです。各製品指定の用量を守りましょう。
天然精油が使われているものは香りが飛びやすいので、入れるのは入浴の直前がおすすめです。オイルによっては水と混ざって乳白色になることもあります。
体に塗ってもいいかどうかは製品によって異なるので、各メーカーに確認してください。塗ってもいいものは、浴槽に直接入れなくても、お湯に浸かりながら、肌に塗布してマッサージするのもおすすめです。
バスオイルについてよくあるご質問
「バスオイルの保存方法は?」「バスオイルを入れた後に追い炊きをしても大丈夫?」など、バスオイルを使う時に、こんな疑問を抱いたことはありませんか?
気になる3つの疑問について専門家の小林麻利子さんに伺ってみました!
バスオイルの保存方法は?
お風呂で使うバスオイルは、いつでもバスタブに入れられるようにバスルームに置きっ放しという方も多いのではないでしょうか。
天然由来成分を多く含むバスオイルですが、保存の際気を付けることを伺ってみました。
小林 麻利子
SleepLIVE株式会社代表取締役。生活習慣改善サロン「Flura」主宰。 睡眠改善インストラクター、温泉入浴指導員
浴室には置かず、湿気が少なく、直射日光が当たらない冷暗所で保管してください。天然精油が用いられていたりと、商品によって使用期間は異なるので、各メーカーに問い合わせた方が確実です。
開封後は直接肌に触れるものなので、なるべく早く使用しましょう。
バスオイルを入れた後に追い炊きをしても大丈夫?
最近の浴槽に付いている便利な追い炊き機能。バスオイルを入れた状態で使っても問題ないのでしょうか。
小林 麻利子
SleepLIVE株式会社代表取締役。生活習慣改善サロン「Flura」主宰。 睡眠改善インストラクター、温泉入浴指導員
浴槽の配管を痛めてしまう可能性があるため、バスオイルを入れた状態で追い炊きは行えません。乳化剤が入っていてお湯に溶けるタイプであっても、追い炊きできるかメーカーに確認する必要があります。(バスソルトなども追い炊き不可)
また、お風呂のお湯を抜いたらすぐに清掃しましょう。商品にもよりますが、風呂釜に色を付けてしまう可能性もあります。
まとめ
バスオイルを選ぶ際、肌のことを考えると天然由来のものが安心ですが、人工香料も魅力的。人工であるがゆえに絶妙な香りを生み出したり、香りの持続性を高めたり、そんなメリットがあるとは驚きでしたね。
お風呂の専門家、小林麻利子さんに教えていただいた、バスオイルの選び方もぜひ参考にしてみてください。
香りも成分も多彩なバスオイルの世界、あなたに合う最高のバスオイルが見つかることを願っています。