オリーブオイルとはオリーブの果実から搾られる植物性のオイルのことです。「健康に良いオイル」として、サラダのドレッシングやアヒージョ、パスタなど料理に幅広く使われています。
そこで、今回は知っているようで知らないオリーブオイルの種類の違いや選び方について、オリーブオイルソムリエ®の榊田えみさんに解説していただきました。
また、紹介するオリーブオイルをいくつか編集部が実際に試食し、検証を行いました。ぜひ購入する際の参考にしてみてくださいね。
オリーブオイルの種類は大きく分けて2種類
国内で購入できるオリーブオイルは下記の2種類です。
- バージンオリーブオイル(エキストラバージンオリーブオイル)
- オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)
2種類のオリーブオイルの違いについて、オリーブオイルソムリエ®の榊田えみさんに解説していただきました。
バージンオリーブオイル(エキストラバージンオリーブオイル)
榊田えみ
オリーブオイルソムリエ®
化学薬品処理や精製処理を一切行わない、天然オリーブ果汁100%のオイルのこと。その最高品質規格を「エキストラ(エクストラ)バージンオリーブオイル」といい、風味にも一切の欠陥がありません。
なお、若干の風味欠陥を伴う2級グレードのことを「バージンオリーブオイル」といい、まれに市場でも販売されています。
オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)
榊田えみ
オリーブオイルソムリエ®
単にオリーブオイルと表記されたオイルは、風味に欠陥のあったバージンオリーブオイルや、酸化してしまったバージンオリーブオイルを化学的に精製したものに、少量のエキストラバージンオリーブオイルを混ぜたものを指します。
ちなみに、「ピュアオリーブオイル」という呼称は、かつてあった商品企画です。現在は国際規格から外されており、今はほとんどの商品で「オリーブオイル」とだけ表記されています。
【注意】オリーブポマースオイルはオリーブオイルではない
オリーブポマースオイルというオイルを聞いたことはありますか?
上記で紹介した2種類のオリーブオイルに比べると、お手頃価格でコスパが良いので「オリーブオイルの一種」として紹介されていることもあります。
しかし、オリーブポマースオイルにはオリーブオイル*特有の効果はなく、オリーブオイルではありません。
榊田えみ
オリーブオイルソムリエ®
オリーブポマースオイルは「オリーブ」の名を冠していますが、オリーブオイルではありません。
作り方は、バージンオリーブオイルを作った際に出る搾りかすを化学溶剤を使ってさらに残りの油分を抽出、化学的に精製されて食用になるものもあります。
ただ、エキストラバージンオリーブオイルに見られるような、血中コレステロール減少に有益な酸化を防ぐオレイン酸などの健康成分のほとんどは失われています。
オリーブポマースオイルの場合は、必ずオリーブポマースオイルという表記があるので購入前にチェックしましょう。
オリーブオイルの効果とは?摂取しすぎると太る?メリット・デメリットを解説
- LDL(悪玉)コレステロールを上昇させない効果が期待できる
- 糖質はない
- 摂取しすぎると肥満になる恐れがある
- カロリーは油なので高め
まず、オリーブオイルの効果、メリットについて解説します。
エキストラバージンオリーブオイルに多く含まれている「オレイン酸」は不飽和脂肪酸で、オメガ9(n-9)系脂肪酸のことです。LDL(悪玉)コレステロールを上昇させない効果が期待できるといわれています。(参考:日本植物油協会)
一方、デメリットとしてはオリーブオイルは摂取しすぎると肥満になる恐れがあります。
- 白米:100gあたり約170kcal
- オリーブオイル:100gあたり約920kcal
オリーブオイルは油なのでカロリーは高めです。白米のように大量に食べるわけではありませんが、成人の摂取目安は1日あたり約15mlから30ml(大さじ1杯~2杯)程度。分量を守るようにしましょう。
オリーブオイルソムリエ®が選び方のポイントを紹介
- エキストラバージンオリーブオイル
化学薬品処理や精製処理を一切行わない、天然オリーブ果汁100%の最高品質規格オイルのこと。 - オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)
風味に欠陥や、酸化してしまったオリーブオイルを化学的に精製したものに、少量のエキストラバージンオリーブオイルを混ぜたオイルのこと。
編集部
2種類のオリーブオイルの特徴から、料理に使う場合はエキストラバージンオイルが良さそうですね!
榊田えみ
オリーブオイルソムリエ®
そうですね。優れたエキストラバージンオリーブオイルは、スパイスやハーブにも例えられるほど風味が豊かです。
また、品種も多くたくさんの国や地域で生産されています。
こうした品種や栽培地が異なれば、一本一本その風味も異なりますので、個性的な一本一本の風味、味や香りをきちんと感じとって料理に活かすことが大切です。
編集部
エキストラバージンオイルを選ぶときに気をつけた方が良いことはありますか?
榊田えみ
オリーブオイルソムリエ®
残念なことに、エキストラバージンオリーブオイルと表記されていても、欠陥風味のあるオリーブオイルが店頭に並んでいる場合もあります…。
こうした欠陥オリーブオイルには、スパイスやハーブの香りはなく、発酵臭やクレヨン、酸化した油の不快な匂いなどがあります。おいしくないだけでなく、健康効果もあまり期待できず、他の油が混ぜられていることもあります。
現状では、ボトルだけを見ても品質の良し悪しはわからないので、オリーブオイルソムリエ®などの専門家のアドバイスやOLIVE JAPAN®などの国際オリーブオイルコンテストの結果で品質の確かなものを自分で選ぶ必要があります。
ハーブのような緑の香り、お花のようなエレガントな香り、トマトや青りんごと言った野菜やフルーツの香りが一般的ですが、ペッパーやわさびのような辛さや苦瓜を食べているような苦味を持つものもあるようです。
こうした風味の個性を知って商品選びをすると、活用法も広がるのではないでしょうか。
オリーブオイルおすすめ18選|種類別に厳選!編集部の試食レビュー付き
ここからは、おすすめのオリーブオイルを紹介します。実際に編集部が試食したレビューもぜひ参考にしてみてください。
エキストラバージンオリーブオイルおすすめ14選
まず初めに、エキストラバージンオリーブオイルを紹介します。
編集部
酸味が弱く、オリーブ自体の風味は強くなかったです。後味がスパイシーでアクセントが効いていました。
編集部
なめらかかつ重厚な味がしました。オリーブの味も感じられて◎。オリーブオイル独特の味が好きな人におすすめです。
オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)おすすめ4選
エキストラオリーブオイルの強めの風味が合わなかったり、コスパを重視する人には、オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)がおすすめです。
人気の商品をピックアップしてご紹介します。
まとめ
エキストラバージンオリーブオイルは、食事を豊かにしてくれるだけでなく、さまざまな美容・健康効果も期待できます。
品質が良いものは少々値段が張りますが、今回はコスパが良いものも紹介しているので、はじめの1本はその中から選んでみてはいかがでしょうか。
そして、気になるオリーブオイルが見つかったら、ぜひ日常の食事に取り入れてみてください。