七五三は、お子様の健やかな成長と長寿を願う伝統行事です。女の子は3歳と7歳、男の子は3歳と5歳の年齢で祝います。
七五三はお子様が主役ですが、両親もふさわしい服装を心掛けるのがマナーとされています。
この記事では、七五三を迎える母親のために、服装の選び方やマナーについてわかりやすくご紹介します。
七五三で失敗しない母親の服装選びのポイント
七五三での母親の服装に明確な決まりはありませんが、神社やお寺への参拝、写真撮影の場面を考えると、きちんとした服装を選ぶのがマナーです。
まずは、母親の服装選びで押さえておきたいポイントをご紹介します。
和装・洋装どちらでもOK！お子様が引き立つ服装を選ぶ
七五三では、母親の服装は和装・洋装どちらでも問題ありません。ただし、主役はお子様であるため、母親の装いがお子様の衣装よりも格上にならないよう配慮が必要です。
お子様がワンピースやスーツなどの洋装を選んだ場合は、両親も洋装でそろえると全体として統一感が生まれます。和装・洋装のどちらを選ぶ場合でも、家族全体のバランスを意識することが大切です。
なお、お子様が和装の場合、母親は和装・洋装いずれでも問題ありません。
また、母親の服装は派手な色や柄を避け、お子様を引き立てる控えめで上品な装いを心掛けましょう。淡いピンクや水色、黄色などのやさしい色合いに、柄は少なめで落ち着いたデザインを選ぶと、好印象を与えることができます。
杉山幸恵
着付け師
七五三ではお子様が主役となるため、母親の服装は主役を引き立てる淡いベージュやブルー、柔らかなピンクなど上品な色合いの訪問着や、色無地に華やかな帯の組み合わせがおすすめです。
夫婦で格調やテイストを合わせる
七五三では、夫婦で服装の格調や雰囲気を統一することが大切です。装いに統一感を持たせることで、家族全体が調和し、主役であるお子様がより引き立ちます。
例えば、母親が訪問着を着ているのに、父親がカジュアルなシャツやチノパンでは不釣り合いな印象となり、全体のバランスが崩れてしまいます。
全体の調和を保つために、母親が訪問着の場合は父親もスーツや羽織袴など、同程度の格を備えた服装を選びましょう。
また、お子様の衣装に合わせて両親の色合いを統一すると、写真映えも良くなり、家族全体の雰囲気にまとまりが生まれます。
杉山幸恵
着付け師
夫婦で服装の格や色合いを揃えることで写真に統一感が生まれ、上品な印象になります。
また、祖父母が参加する場合は両家で服装の格を揃えると、場にふさわしい調和が生まれ、晴れの日にふさわしい装いとなります。
カジュアルすぎる服装は避ける
ご祈祷を受けない場合でも、神社やお寺を訪れる際は、落ち着いた装いを心がけましょう。
Tシャツやデニム、サンダルなどのラフな服装は神聖な場に適しておらず、マナー違反と捉えられる場合もあります。また、親がきちんとした服装で臨むことで、お子様にも特別な日であるという意識が伝わります。
七五三では、上品でフォーマルな服装が求められます。Vネックが深いデザインや、ノースリーブ・タンクトップなど露出度が高い服装は避けましょう。スカートは膝丈または膝下丈が基本で、膝上の短すぎる丈は控えるのが適切です。
母親は、ワンピースやスーツなどの洋装でも問題ありません。洋装の正装はドレスとされていますが、七五三では過度に格式ばる必要はなく、フォーマル感があれば十分です。
入園・卒園式などにも着回しやすいため、近年では洋装を選ぶ方が増えています。
服の色は、ネイビー・ブラック・ベージュ・グレーなどの落ち着いたトーンが人気です。ただし、全体が暗くなりすぎないよう、ジャケットや靴に明るめの色を取り入れてバランスを取るのがおすすめです。
サイズや清潔感にも気を配る
七五三の服装を選ぶ際は、サイズや清潔感にも気を配りましょう。
フォーマルな服装であっても、サイズが合っていなかったり、シワが目立ったりすると見栄えが悪く、だらしない印象を与えてしまいます。
服は体に合ったサイズを選び、アイロンをかけるなどして、手入れされた清潔感のある装いを心掛けましょう。
また、ヘアスタイルにも配慮が必要です。髪型は清潔感のあるスタイルに整えましょう。特に髪が長い場合は、結んだりヘアセットを施したりして、乱れた印象にならないよう注意が必要です。
動きやすさも重視する
七五三を迎えるお子様は、まだまだ手がかかる年齢のため、母親の服装は動きやすさも意識するのがポイントです。
特に3歳や5歳のお子様は、元気に動き回ったり、抱っこを求めたりする場面が多いため、神社の砂利道でも歩きやすい洋装を選ぶことがおすすめです。
動きやすさを重視するなら、スカートよりもパンツスタイルの方が適しており、服装を気にせずにお子様の世話がしやすくなります。
靴はローヒールのパンプスやローファーなど、歩きやすく上品な印象を与えるものを選びましょう。サンダルや運動靴などのカジュアルなスニーカーは、神社へのお参りにはふさわしくないため、避けるのがマナーです。
シーン別・形式別の服装の選び方
ここからは、シーンや形式に応じた母親の服装選びのポイントを、わかりやすくご紹介します。
神社での参拝｜動きやすさと上品さのバランス
神社には石畳や砂利道が多いため、靴はヒールが低く、安定感のある太めのデザインを選ぶのがおすすめです。
着物を着る場合は、草履での移動を考慮して、事前に履き慣らしておくとよいでしょう。
また、パンツスーツや落ち着いた色合いのワンピースも人気で、上品かつ動きやすい装いとして選ばれています。
杉山幸恵
着付け師
神社での参拝では、露出を控えた上品な装いが基本です。
派手すぎない色味や柄、落ち着いた雰囲気の訪問着や色無地を選ぶのが理想です。また、歩きやすい履物や動きやすさにも配慮しましょう。
写真スタジオでの撮影｜写真映えを意識した装い
写真撮影では座ったり立ったりする動作が多いため、どのポーズでも美しく見えるシルエットを意識して服を選びましょう。
シルク調やツヤのある素材の服装を選んだり、華やかな色味やアクセサリーを取り入れたりして、上品な華やかさを演出するのもおすすめです。
また、フォーマルな装いであっても、動きやすさや着心地の良さも考慮しましょう。
杉山幸恵
着付け師
スタジオ撮影では淡い色や上品な柄で控えめな装いを心掛けましょう。光沢素材やシワは照明の影響で目立ちやすいため注意が必要です。
また、眼鏡は光を反射しやすいため、撮影時には事前に確認しておくと安心です。
会食がある場合｜きれいめなフォーマル感
神社での参拝や写真撮影の後に会食がある場合は、きれいめでフォーマルな装いがおすすめです。
また、動きやすく清潔感のある服装を選ぶことで、参拝や撮影にも対応しやすくなり、一日を通して快適に過ごせます。
会食では食べこぼしや料理のニオイが服に付くこともあるため、自宅で洗える素材や防臭効果のある素材を選ぶと安心です。
小物選びにも気を配ると、全体の印象がより洗練されます。バッグや靴は、シンプルで上質なデザインを選ぶことで、コーディネート全体が引き締まり、上品な印象に仕上がります。
兄弟姉妹の同行がある｜育児対応しやすい服装
兄弟姉妹も一緒に参拝する場合は、動きやすさを重視した服装を選ぶことが大切です。
抱っこや手をつなぐ場面を想定して、ストレッチ素材の服やパンツスタイルを選べば、移動がしやすく快適に過ごせます。
足元も同様に、動きやすさを優先してスニーカーを選んでも問題ありません。ただし、神社の厳かな雰囲気に配慮し、整った印象のデザインを選ぶと周囲にも好印象を与えやすくなります。
また、当日の動きをスムーズにするために、事前に家族で役割分担を確認しておくと安心です。お子様のサポートや荷物の管理などを想定し、それに合った服装や靴を選びましょう。
七五三におすすめの母親のコーディネート7選
ここからは、母親におすすめの七五三コーディネートをご紹介します。
格式ある着物スタイルや定番のワンピース、動きやすいパンツスタイル、フォーマル感のあるスーツスタイルなど、シーンや雰囲気に合わせて選べるコーディネートを厳選しました。
着物
お子様が和装の場合は、母親も着物を合わせることで統一感が生まれるのでおすすめです。
着物は、訪問着・付け下げ・色無地・江戸小紋など、お子様よりも控えめな格のものを選びましょう。
着物の色は、親子で同系色を選ぶと全体にまとまりが出て、上品で統一感のある印象になります。反対に、あえてお子さまの着物とコントラストのある色を選ぶことで、主役であるお子様を引き立てることも可能です。
どちらの場合でも、母親の着物はお子様より目立たないように、ワントーン落とした色や淡い色合いを選ぶと上品にまとまります。
なお、着物は必ずしも購入する必要はありません。最近ではレンタルサービスも充実しており、楽天市場を利用すれば簡単に利用できます。
小物や付属品がセットになっているケースも多く、自宅や指定場所に配送してもらえるため、忙しい方にも便利です。
杉山幸恵
着付け師
七五三で母親が着物を着る際は、動きが制限されるため普段よりゆったりとした所作を心掛けましょう。
姿勢も正しく保ち、階段の上り下りや着座・起立も丁寧に行うことが大切です。
スーツ
スーツはパンツスタイルでもスカートスタイルでも問題ありません。動きやすさや好みに合わせて選びましょう。
男の子の衣装は寒色系が選ばれることが多く、父親もブラックスーツなどの落ち着いた色味を着用するのが一般的です。
そのため、母親がベージュや白など明るめのスーツを選ぶと、家族全体の色のバランスが整い、写真撮影でも自然で調和の取れた印象になります。
ジャケットにはツイード素材もおすすめです。七五三はもちろん、入園式やビジネスシーンなど幅広い場面で着回せるため、1着持っておくと便利です。
パンツスーツを選ぶ場合、シンプルな印象になりやすいため、ブラウスにライトカラーやレース、フリルなどのデザインを取り入れることで、華やかでやわらかい印象を演出できます。
ワンピース
ワンピースは、1枚で上品さときちんと感の両方を演出できる便利なアイテムです。タイトすぎないデザインを選べば、動きやすさも確保できます。
気温や時期に応じてジャケットを羽織ることで、華やかさを保ちながら、よりフォーマルで洗練された印象に仕上がります。
セットアップ
七五三の服装には、セットアップを選ぶのもおすすめです。コーディネートを考える手間を省けて、フォーマルな印象も出しやすいため、手軽に品のある装いが整います。
七五三は写真撮影や会食など、きちんと感と華やかさが求められる場面が多いため、シルエットにメリハリのあるデザインを選ぶと好印象です。
例えば、シンプルなパンツにはフレア袖のブラウス、フレアスカートにはフィット感のあるトップスを合わせると、全体のバランスが整います。
特に、ブラウスとパンツのセットアップは、気軽に着られて動きやすく、小さなお子様と一緒に過ごす場面にもぴったりです。上下別々で着回しができるため、七五三の後に普段使いしやすいのも嬉しいポイントです。
ジレ
簡単に羽織るだけでコーディネートの格調を高めてくれるジレは、七五三の服装にもおすすめのアイテムです。
参拝時期はまだ暑さが残ることもあるため、ジャケットではなく、軽やかな着心地のジレを選ぶと快適に過ごせます。
ジレは袖のないロングベストのようなデザインで、ベストよりも着丈が長いのが特徴です。よりフォーマル感や落ち着いた印象を演出できます。
お尻や太ももなど気になる部分を自然にカバーできるものが多く、体型が気になる方にもぴったりです。
靴
神社やお寺への参拝では、階段や石畳、砂利道など、足元が不安定になることがあります。七五三では動きやすさを重視し、ヒールのないフラットパンプスやローヒールを選ぶのがおすすめです。
また、ローファーもきちんと感があり、フォーマルな印象を演出できるため、セットアップやジレを合わせたコーディネートにもよく合います。
以下の記事では、パンプスの選び方やおすすめの商品をご紹介しています。パンプス選びに悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。
杉山幸恵
着付け師
黒やベージュなど足元を美しく見せてくれる落ち着いた色がおすすめです。ヒールの高さは、歩きやすく合わせやすい3～5cm程度が理想的です。
アクセサリー
七五三では、主役はお子様であるため、母親のアクセサリーは控えめで品のあるデザインを選ぶのが基本です。パールやゴールド系のアクセサリー、小ぶりなジュエリーを選びましょう。
大ぶりで目立ちすぎるものや、華美なデザインのアクセサリーは避けることをおすすめします。
杉山幸恵
着付け師
七五三の昼間の参拝では、光を強く反射するアクセサリーは控えめにするのが基本です。
パールなど上品で控えめなデザインがおすすめで、全体の装いと調和する品格のあるアクセサリーを選びましょう。
祖父母も含めて家族のコーディネートバランスを考えよう
七五三のお参りや写真撮影に祖父母も参加する場合は、家族全体で服装の雰囲気をそろえることが大切です。服装に統一感があると、家族写真にもまとまりが生まれ、より素敵な仕上がりになります。
そのため、祖父母にも事前に服装のイメージを相談しておきましょう。
以下に、お子様の服装が「着物の場合」と「洋服の場合」に合わせた、家族の服装例を表にまとめました。母親・父親・祖父母・兄弟姉妹まで、全体のコーディネートの参考にしてみてください。
| お子様が着物の場合 | お子様が洋装の場合 | |
|---|---|---|
| 母親 | 着物 (訪問着、付け下げ、色無地、江戸小紋) | フォーマル感のある洋服 (セレモニースーツ、ジャケット&ワンピース、セットアップやジレなど) |
| 父親 | フォーマルスーツ、ビジネススーツ
| ビジネススーツ、ジャケット&スラックス |
| 祖母 | セレモニースーツ | ジャケット&ワンピース |
| 祖父 | ビジネススーツ | ジャケット&スラックス |
| 兄弟 | スーツ
| 襟つきシャツ&パンツ |
| 姉妹 | ボレロ&ワンピース | ワンピース |
以下の記事では、七五三の基礎知識や参拝・写真撮影の準備に役立つ情報を解説しています。お子様向けの小物やおすすめのアイテムもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
七五三の服装・メイクに関するよくある質問
最後に、七五三の服装やメイクに関するよくある質問と、その対策やポイントをご紹介します。事前に疑問を解消しておくことで、安心して当日を迎えられます。
七五三で着てはいけない服装は？
丈が短いスカートや、VネックやUネックで襟ぐりが深いトップス、ノースリーブなど肌の露出が多い服装は避けましょう。
また、Tシャツやジーンズ、普段使いのスニーカーやサンダルなどのカジュアルすぎる服装も、七五三の参拝には適していません。
アクセサリーは、あまりに派手なものは主役のお子様より目立ってしまう可能性があるため控えましょう。
身につける場合は、小ぶりなジュエリーやパールなど、上品で控えめなアイテムを選ぶと、華やかさを添えながらもバランスの取れた印象になります。
母親が着物、父親はスーツでも問題ない？
子どもが和装の場合、母親が着物、父親がスーツでも問題ありません。ただし、子どもが洋装の場合に、母親が訪問着、父親がモーニングなど、子どもよりも格式の高い服装を選ぶのは避けたほうがよいでしょう。
基本的には、お子様よりも控えめな服装を選び、夫婦でフォーマル度を揃えることがポイントです。
杉山幸恵
着付け師
七五三で母親が着物、父親がスーツの場合は、スーツの格を訪問着に合わせることが大切です。
フォーマルな印象のあるスーツを選び、夫婦で調和の取れた装いを心がけましょう。
七五三で母親の髪型やメイクはどうする？
七五三では、服装や髪の長さに合わせて、きちんと感や清潔感のある髪型に整えましょう。
例えば和装の場合、ロングヘアであればまとめ髪にすると、首まわりがすっきりし、上品な印象になります。髪型を決める際は、主役であるお子様より目立たないように配慮しましょう。
メイクは落ち着いた色味を選び、ナチュラルな仕上がりを心掛けると、場にふさわしい印象になります。
杉山幸恵
着付け師
七五三で母親が和装の場合、ヘアスタイルはダウン気味の落ち着いたまとめ髪がおすすめです。
メイクはナチュラルで清潔感のある仕上がりを意識し、過度な華やかさは避けて上品にまとめましょう。
まとめ
七五三での母親の服装に厳密なルールはありませんが、神社への参拝や写真撮影があるため、整った印象のある装いを意識することが大切です。
動きやすさや写真映えも考慮しながら、上品な印象を与えるワンピースやセットアップ、着物など、主役であるお子様を引き立てる服装を選びましょう。
新しく衣装を用意する場合は、楽天市場の利用がおすすめです。ワンピース・スーツなどの洋服から、バッグ・靴などの小物まで、手軽に揃えられます。着物のレンタルサービスも充実しており、必要なアイテムを一式揃えられるのも魅力です。
商品レビューを参考にすれば、着用感やサイズ感も確認して選べます。ぜひ活用して、お気に入りの装いで七五三のお祝いをお楽しみください。
杉山幸恵
着付け師
七五三はご家族にとって大切な節目となるアニバーサリーです。かけがえのない一日が心に残る思い出となるよう、笑顔でゆったりとした気持ちでお迎えください。
※本記事は楽天市場が作成しています。
