たくさんの哺乳瓶が売られている中で、"自分の赤ちゃんにぴったりの1本"を決めるのは大変なことでしょう。
どんな形がいい?電子レンジは使える?消毒はどうする?と、初めて哺乳瓶を購入する前に迷ってしまいますよね。
今回はベビーフードコンサルタントの南まりかさんに哺乳瓶の選び方や、おすすめの哺乳瓶について詳しく伺いました。
哺乳瓶選びで悩んでいる方、新たに買い替えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

子育てを機に幼児食の知識を身につけ『ベビーフードコンサルタント』、アスリートの食事の大切さやメニューの組み方を学び『スポーツフードスペシャリスト』の資格を取得した。子育てをしながらタレントとしても活躍中。
哺乳瓶の選び方
まずは哺乳瓶の選び方から説明します。食物アレルギーのあるお子さまを育てる一児の母でもある南さんより、ご自身の経験も織り交ぜた哺乳瓶を選ぶ際のポイントを5つ教えていただきました。
①哺乳瓶のサイズで選ぶ

月齢に応じて飲む量が変わってくるので、それに合わせて変えていきます。
- SSサイズ(新生児)
- Sサイズ(1ヶ月頃から2ヶ月頃)
- Mサイズ(3ヶ月頃から6ヶ月頃)
- Lサイズ(6ヶ月頃から卒乳まで)
新生児から2ヶ月くらいまでは120〜150ml入る小さい哺乳瓶(Sサイズ)を使うのがおすすめです。
SSサイズだと次のサイズをまた購入する必要があるため、Sサイズからスタートするのも良いです。
赤ちゃんが問題なく飲んでくれるようなら、月齢が上がってきた時に同じモデルの大きいサイズを購入すると安心して飲んでもらえます。
では、小さい哺乳瓶は2ヶ月までしか使わないのか?というと、そうではありません。お水や麦茶を飲ませる時に使ってもいいですし、果汁を飲ませる時に使ってもいいのです。
哺乳瓶の長さも色々とありますが、長いサイズのものだと消毒ケースで消毒する時に、サイズが合うものを見つけづらいこともあるので、注意が必要です。
ただ、大きな箱型の消毒ケースならそんな心配もいらないかもしれません。
②哺乳瓶の形状で選ぶ

大きく分けると、カーブ、ストレート、くびれ、スリムの4タイプがあります。
カーブ
赤ちゃんが飲みやすいようにボトルに角度がついている哺乳瓶です。赤ちゃんの頭を寝かせた状態でミルクを飲ませると、中耳に流れ込み中耳炎を起こしやすいと言われています。
これは助産院で言われたという方もいるかもしれませんね。心配な方はカーブの付いている哺乳瓶にすることで、赤ちゃんの状態を起こした状態でミルクを飲ませることができます。
- 空気を飲み込む量が減るので、ゲップが少なくなりミルクをしっかりと飲むことができる
- 少し洗いにくい
カーブの哺乳瓶は、専用のブラシが別売りされていることもあるので、哺乳瓶と一緒に購入するのがいいかもしれません。
ストレート
一般的な哺乳瓶の形。
- 洗いやすい
- 温度が下がりづらい
- 口が広いので調乳がしやすい
- 温度が下がりづらいので、すぐに飲ませたい時に少し時間がかかってしまう
毎日何回も使う哺乳瓶なので、赤ちゃんが飲みやすいのも大事ですが、ママやパパの使いやすさもとても大切なことです。
くびれ
ボトルの真ん中あたりが少しくぼんでいる形の哺乳瓶です。
- ママやパパの手にフィットして持ちやすい
- 口が広いので調乳がしやすい
- 温度が下がりづらいことがある
スリム
細身で長さがある哺乳瓶。
- スリムなので外出の際に持ち運びがしやすい
- 小さな手のママやパパもしっかり掴める
- 適温になるのが早いので、すぐに飲ませてあげられる
- 冷めやすい
- 口の幅がスリムなので、調乳時に粉ミルクをこぼしやすい
- 洗いづらい
③哺乳瓶の素材で選ぶ

素材は大きく分けると、ガラス、プラスチック、シリコンの3つになります。
ガラス
耐熱ガラスでできていることがほとんどなので、煮沸や電子レンジでの消毒ができます。傷やニオイがつきにくいので、より衛生的に使用することができます。
- 劣化しにくい
- ニオイが付かない
- 傷が付きにくい
- 熱が逃げやすいので、冷ましやすい
- 煮沸や電子レンジでの消毒ができる
- 少し重い
- 落とした時に割れる可能性がある
- 外出先での使用には向かない
プラスチック
プラスチック製の哺乳瓶は軽いので哺乳の際の手首への負担が少なく、割れにくいので外出時の使用に向いています。ただ、中には電子レンジでの消毒ができないものもありますので、注意書きを確認してください。
- 軽い
- 割れにくい
- 傷が付きやすい
- 劣化しやすい
- ミルクを冷ましにくい
- 電子レンジで消毒できないものがある
シリコン
シリコンの哺乳瓶は200℃以上の高熱にも耐えることができるので、煮沸消毒も電子レンジ消毒もできます。また柔らかく割れる心配がありません。
- 熱に強く劣化がしにくい
- 柔らかいので割れる心配がない
- 割れないが裂けやすい
- ニオイがつきやすい
赤ちゃんはニオイや味に敏感なので、ガラスやプラスチックに比べて注意が必要かもしれませんね。
④哺乳瓶ニプル(乳首)の穴のタイプで選ぶ

二プルの穴の形には、丸穴、スリーカット、クロスカットとあります。
丸穴
哺乳力の弱い新生児に最適です。どれだけ吸っても出てくるミルクの量は決まっているので、上手に吸うことができるようになった赤ちゃんは丸穴を卒業しましょう。
- 自然にミルクが出てくるので、哺乳力の弱い赤ちゃんもしっかり飲むことができる
- どれだけ吸っても出てくる量は決まっている
スリーカット
Yの形をした穴。赤ちゃんの吸う力によってミルクが出てくる量が変わります。哺乳力がついてきた2ヶ月頃から使い始めることが多いのがスリーカットです。
- 赤ちゃんが飲む力に合わせて、ミルクの出方をコントロールできる
- 成長に合わせて穴のサイズを変える必要がない
- 同じ力で吸った場合、クロスカットと比べて出てくる量が少ない
クロスカット
Xの形をした穴になっています。Y形のスリーカットよりも量が多く出るので、Y形では時間がかかってしまう赤ちゃんや、もっとたくさん飲みたくて泣いてしまう赤ちゃんにおすすめです。
こちらも哺乳力がついてきた2ヶ月頃から使い始めることが多いです。
- 飲む力によってミルクの量をコントロールすることができる
- 果汁などの繊維があって詰まりやすい飲み物を与える時に使える
- 同じ力で吸った場合に、スリーカットよりもミルクが出てくる量が多くなる
たくさん出てくるのが嫌で泣いてしまう赤ちゃんや、上手に飲めるようになった赤ちゃんはスリーカットを使用するのがおすすめです。
⑤哺乳瓶ニプル(乳首)の材質で選ぶ

二プルの素材には、天然ゴム、イソブレンゴム、シリコンゴムの3種類があります。
天然ゴム
吸った時の感触がお母さんの乳首の感触と似ています。熱に弱く、耐久性に乏しいことと、ゴムの匂いが少しするので、赤ちゃんによっては嫌がることもあります。
イソブレンゴム
天然ゴムと同様に弾力や柔らかさがお母さんの乳首と似ています。天然ゴムと比べてゴムの匂いが少ないので、赤ちゃんにとって飲みやすい乳首の材質ですが、耐久性がそれほどありません。
シリコンゴム
耐久性があり匂いも少なく熱に強いです。ただし、イソブレンゴムと比べると素材自体がやや硬めなので、嫌がる赤ちゃんもいるようです。

南 まりか
ベビーフードコンサルタント
穴の形や素材以外にも、乳頭部分が横長なものや二プルの付け根部分が細いものなどがあります。赤ちゃんの哺乳力や飲みやすそうな形を選んであげるといいですね。
哺乳瓶おすすめ17選
ここからは、編集部が厳選したおすすめの哺乳瓶を材質別にご紹介します。
ガラス製の哺乳瓶おすすめ8選
まずはガラス製のおすすめ哺乳瓶をご紹介します。
スリムタイプの哺乳瓶おすすめ4選
次にスリムタイプのおすすめ哺乳瓶をご紹介します。
電子レンジ対応の哺乳瓶おすすめ5選
最後に電子レンジ対応のおすすめ哺乳瓶をご紹介します。
哺乳瓶のおすすめ除菌方法~除菌・消毒は電子レンジ?食洗機?~
電子レンジでの消毒は、3〜5分という短時間でできます。簡単で短時間なので、忙しいママにぴったりです。
ただし、加熱時間は専用の容器によっても哺乳瓶の本数によっても変わってくるので、しっかりとチェックすることが大切です。そして電子レンジの場合には、水だけで消毒することができるのもポイントです。
薬剤を使用することに抵抗のある方や、ニオイが嫌でミルクを飲まなくなる赤ちゃんもいるので、そんな時には電子レンジでの消毒がおすすめです。
- 水だけで消毒することができる
- 専用の容器を購入しなければならない
- 消毒直後は熱くて使うことができない
- 専用の容器も熱くなっているので、しっかりと冷ましてから取り出さないといけない
免疫力の低い赤ちゃんは、病原菌やウイルスに感染しやすいので、哺乳瓶の消毒はマストですが、食洗機での消毒は、あまりおすすめできません。
85℃以上で1分以上加熱すると、ほとんどの細菌やウイルスが死滅するそうです。お使いの食洗機にもよると思いますが、食器乾燥機の中が85℃以上になることは基本的にありません。
食器洗い乾燥機の場合は、すすぎ時に80〜90℃の熱湯が使用され、すすぎが1分以上行われるので消毒が可能かもしれません。
ただ、すみずみまで消毒ができているのかという部分では疑問が残るので、やはりおすすめはできません。
どうしても食器洗い乾燥機で消毒を行いたいという場合には、すすぎの温度が高くなるコースを選択するのが良いでしょう。

南 まりか
ベビーフードコンサルタント
わたし自身は、子どもが新生児期から3ヶ月頃まで消毒液を使った消毒をしていました。
免疫力の低い赤ちゃんだからこそ、細菌やウイルスからしっかり守ってあげたかった、そして睡眠時間を優先したかったので浸けておくだけで消毒ができるこの方法にしました。
まとめて寝てくれるようになってきた4ヶ月頃からは、煮沸で消毒をしていました。
我が家の娘が生まれたのが春だったこともあり、生後6ヶ月頃がまだ暖かい秋だったので、涼しくなるまで煮沸消毒を続けていました。
季節や赤ちゃんの体調に合わせて、消毒する期間を決めるのがいいと思います。
本数はどのくらい持っていれば大丈夫?
生まれてすぐの頃は自分の睡眠時間も少ないので、できるだけ楽に育児ができるよう3本くらい用意するとすごく楽になると思います。
消毒するのにも時間がかかるので、少なくても2本あると安心です。授乳間隔が空いてきてからも2本あるとよいでしょう。もちろん1本でも問題はないのですが、ストレスなく育児をするという意味では予備があると心強いです。
完母でも哺乳瓶は必要?
完母の場合は哺乳瓶がなくても問題ありませんが、早くから保育園に預ける予定のある方は哺乳瓶が必須になります。
そのため、完母の方も哺乳瓶に慣らしておく必要があります。母乳を哺乳瓶に入れて飲ませる練習をしておくとスムーズです。
保育園に入れない方でも、ママがリフレッシュをしたいときやママが体調を崩したりなんて場面に備えて、パパや両親に見ていてもらえるように、哺乳瓶に慣れさせておくと、いざというときにとても助かります。

南 まりか
ベビーフードコンサルタント
哺乳瓶を使う前から赤ちゃんの好みを知ることは私にはできませんでした。だから実際に使ってみて、子どもが好きそうなものを使っていました。
赤ちゃんが好まなかった哺乳瓶は、お友達に譲ったりフリマアプリなどで必要な方に使ってもらうのも有効活用かと思います。
また、赤ちゃんの飲んでいる様子をいつも見ていることで気付いたり、わかることもありますよ。
防災グッズとしての哺乳瓶
非常時のために、使い捨ての哺乳瓶を用意しておくのがベターです。使い捨て哺乳瓶のほかには、赤ちゃんが飲めるお水、粉ミルク、卓上コンロ、カイロ、授乳時の目隠しになるスカーフや風呂敷も用意しておくといいです。
哺乳瓶が無い場合に、加熱できるペットボトルでもミルクを作ることが可能です。また、哺乳瓶はあるけれど消毒ができない場合には、紙コップでも授乳することができます。
ただし、しっかりと目が覚めている時に縦抱きで飲ませてあげることがポイントです。
まとめ
初めての育児で、最初から赤ちゃんが喜んで飲んでくれる、その赤ちゃんにぴったりの哺乳瓶を使うことは奇跡に近いのではないでしょうか。(最初からぴったりの哺乳瓶を使っている赤ちゃんはラッキーな赤ちゃんです!)
ママやパパが、これなら合うかな?と何度かのトライ&エラーを繰り返して哺乳瓶を選び出すことの方が多いかもしれません。
ただ、その赤ちゃんの“クセ”や“傾向”から、こんな哺乳瓶が合うかも?と好みを推測することはできるので、ぜひ哺乳瓶選びの参考にしてみてください。