フケは乾燥する季節に多い皮膚のトラブルです。見た目だけではなく、かゆみに悩んでいるという方も多いのではないでしょうか。
フケの原因は人によってさまざまですが、自宅でできるフケ対策として、毎日使用するシャンプーを見直すのがおすすめです。
余分な皮脂を落としつつも、頭皮の環境を整えてくれるシャンプーがたくさん販売されています。
そこで今回は、フケの原因やフケ対策シャンプーを選ぶ際のポイントを毛髪診断士の齊藤あきさんに伺いました。
編集部が厳選したフケ対策シャンプーもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

そもそもフケとは?毛髪診断士が原因についても解説

そもそもフケとは何なのでしょうか。フケが発生してしまう原因も含めて、毛髪診断士の齊藤あきさんにお聞きしました。

齊藤 あき
パーソナルビューティープロデューサー・毛髪診断士
フケとは、頭皮の角質が剥がれ落ちたものです。
肌がターンオーバー(肌の生まれ変わり)によって角質(垢)が剥がれ落ちるのと同じように、頭皮もターンオーバーによって日々生まれ変わっています。
通常、フケは細かいため目に見えることはありませんが、何らかの影響でターンオーバーが乱れたり、皮脂分泌が乱れると、肉眼でフケとなって見えるようになります。
またフケが出ると、角質や皮脂を餌にしている常在菌も繁殖しやすくなり、それが刺激となってかゆみや炎症となって現れます。
フケの原因は?乾燥性と脂漏性の要因を詳しくご紹介
フケの原因は主に、頭皮の乾燥と皮脂分泌の過剰が挙げられます。それぞれどのようにフケとなるのか、齊藤さんに伺いました。

齊藤 あき
パーソナルビューティープロデューサー・毛髪診断士
フケが発生する1つ目の原因は、頭皮の乾燥です。頭皮が乾燥することにより頭皮のターンオーバーが早くなり角質が増えやすくなります。洗浄力の強いシャンプー・過度な洗髪・ストレス・紫外線・食生活の乱れも乾燥を引き起こす要因となります。
2つ目の原因は、皮脂分泌の過剰です。何らかの要因により皮脂分泌が過剰になると、皮脂を餌にしている常在菌が増え、それが刺激となり頭皮のターンオーバーが乱れます。皮脂と角質がまじりあった脂漏性のフケが出やすくなります。起因はストレス・ホルモンバランスの乱れ・食生活の乱れ・睡眠不足・不十分な洗髪などが考えられます。
フケには、乾燥性と脂漏性の2つのタイプがあります。それぞれの特徴について次より解説していきます。どちらのタイプなのか見分けるポイントについても齊藤さんに伺いましたので、参考にしてみてください。
乾燥性のフケ
乾燥性のフケは、頭皮の乾燥によって引き起こされるものです。白い細かいフケで、乾燥しパラパラとしているのが特徴です。指で頭皮を擦ったときに、パラパラと細かいフケが落ちるようであれば乾燥性のフケです。
頭皮が乾燥することによりバリア機能(肌を守ろうとする力)が低下します。すると頭皮は正常な状態に戻そうと肌サイクルが早くなり、未熟な細胞が過剰に生まれることで、それがフケとなって現れます。
また、肌が乾燥する要因は、外的要因と内的要因の両方が考えられます。
- 過度な洗髪
- 洗浄力が強いシャンプーで皮脂を過剰に取りすぎる
- 紫外線やカラーリングなどで頭皮が刺激を受ける
- ストレスによる血行不良やホルモンバランスの乱れ
- 食生活が乱れており細胞にきちんと栄養が届かない

齊藤 あき
パーソナルビューティープロデューサー・毛髪診断士
乾燥性のフケの場合は皮脂を取り過ぎず、うるおいを与えることがポイントです。アミノ酸系の洗浄成分のシャンプーを使用しましょう。
ヒアルロン酸やセラミド、グリセリンやホホバ油などの油脂が使用されたものもおすすめです。痒みがある場合は、抗炎症作用のグリチルリチン酸ジカリウムが含まれたシャンプーを使用しましょう。
また、殺菌効果が期待されるイソプロピルメチルフェノールは乾燥性のフケにはおすすめですが、長期の使用はかえって常在菌のバランスを乱す原因になるので、フケがでなくなったら使用を中止しましょう。
脂漏性のフケ
脂漏性のフケは、ねっとりとした塊になっているのが特徴で、やや黄みががった色をしています。指で頭皮を擦ったときに、ねっとりした塊が指についていれば脂漏性のフケです。
皮脂分泌が過剰になることで、皮脂を餌にしている常在菌が増え、刺激となります。そうすると、頭皮のターンオーバーが乱れ、肌サイクルが早まることで角質が増え、皮脂や汚れと交じりあって脂漏性のフケとなって現れます。
こちらも原因は乾燥性のフケ同様に外的要因・内的要因に分けられます。
- 不十分な洗髪による毛穴の皮脂詰まり
- すすぎが不十分で洗浄成分やシリコン成分などが頭皮に残っている
- 洗浄力が強いシャンプーを使い、乾燥による皮脂分泌過剰
- ストレスや睡眠不足によるホルモンバランスの乱れで皮脂分泌の過剰
- 脂の多い食事などによる皮脂分泌の過剰

齊藤 あき
パーソナルビューティープロデューサー・毛髪診断士
脂漏性のフケの場合は、ほどよい洗浄力で皮脂をきちんと落とす必要があるので、洗浄成分はブレンドされているものがよいでしょう。
例えば、コカミドプロピルベタインやラウラミドプロピルベタインなどのベタイン系と、オレフィン(C14-16)スルホン酸Naなどのオレフィン系の洗浄成分が入ったシャンプーがおすすめです。
また、ココイルミチルアラニンNaやココイルグリシンKなどのアミノ酸系とラウリル硫酸Naやラウレス硫酸Naなどの硫酸系の洗浄成分を組みあわせたシャンプーもおすすめです。
石鹸シャンプーも皮脂をしっかり落としてくれる働きがあるのでよいですよ。
フケ対策シャンプーの選び方|効果的な成分についても解説
フケの種類や特徴などがわかったところで、続いてはフケ対策シャンプーを選ぶときのポイントをご紹介します。
フケ対策に効果的な成分で選ぶ

フケ対策シャンプーとひと口にいっても、使用されている成分はさまざまです。髪の悩みにあわせて、フケ対策に効果的な成分が入っているシャンプーを選ぶようにしましょう。
- グリチルリチン酸2K
医薬部外品では、グリチルリチン酸ジカリウムと表示されます。抗アレルギー・抗炎症作用があり、乾燥性・脂漏性どちらのフケにも効果的です。 - イソプロピルメチルフェノール
殺菌・抗菌力があり、フケの原因となるマセラチア菌の繁殖を防ぎます。医薬品にも使用されている成分で、脂漏性のフケに効果的です。 - ピロクトンオラミン
別名オクトピロックスといいます。殺菌効果に優れマセラチア菌の繁殖を防いでくれるので、脂漏性のフケに効果的です。 - ミコナゾール硝酸塩
殺菌・抗菌力が高く、マセラチア菌の繁殖を防いでくれます。脂漏性のフケに効果的です。 - サリチル酸
抗炎症・殺菌・角質軟化作用がある成分です。脂漏性のフケに効果的ですが、殺菌力は強めなので肌が弱い方は注意してください。
そのほかに、頭皮や髪にダメージを与えてしまうような成分が入っていないかも確認しましょう。髪を根本からケアしていきたい方は、着色料や防腐剤などの添加物が含まれるものは避けてくださいね。
アミノ酸系成分の頭皮にやさしいシャンプーを選ぶ

アミノ酸系は洗浄力が強すぎず、頭皮にも刺激を与えにくいので、乾燥肌や敏感肌の方にとくにおすすめです。
グルタミン酸系・アラニン系・グリシン系などの成分が明記されている商品が、アミノ酸系成分のシャンプーにあたります。

齊藤 あき
パーソナルビューティープロデューサー・毛髪診断士
アミノ酸系シャンプーは保湿効果が高いものが多いので、頭皮の乾燥や乾燥によるフケの方におすすめのシャンプーです。
乾燥性のフケの場合は、セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸など保湿成分が入っているものや、グリセリンやスクワランなど保湿油剤がプラスされたものがよいでしょう。
薬用シャンプーを選ぶ

アミノ酸系シャンプーでも改善が感じられない場合は、薬用シャンプーに切り替えてみましょう。
上記の「フケ対策に効果的な成分で選ぶ」でご紹介した有効成分が含まれているのが薬用シャンプーです。ご自身のフケの状況などにあわせて選んでみてください。
切り替えてもすぐには効果は現れませんので、頭皮のターンオーバーにあわせて最低でも2週間は続けて使ってみましょう。
メンズシャンプーかどうかで選ぶ

メンズ用シャンプーのほうが、洗浄力や殺菌成分が強めのものが多い傾向にあります。
男性で皮脂分泌が過剰になっていたり、ベタつきが気になる方は、メンズ用のシャンプーを選ぶというのも手です。ただ、洗いすぎはよくありませんので、洗浄力や殺菌力が強い分つけすぎなどには気をつけてください。
フケ対策シャンプーおすすめ45選
それでは、齊藤さんに伺った選び方を参考に、編集部が厳選したフケ対策シャンプーをご紹介していきます。
【乾燥性】フケ対策シャンプーおすすめ10選
まずは、乾燥性のフケで悩む方におすすめな、洗浄力が強すぎないアミノ酸系シャンプーや保湿成分を含んだシャンプーなどをご紹介します。
【脂漏性】フケ対策シャンプーおすすめ13選
続いて脂漏性のフケに悩む方におすすめの、皮脂の除去や殺菌効果のある成分が入ったシャンプーをご紹介します。
【乾燥性・脂漏性】フケ対策シャンプーおすすめ12選
続いて、乾燥性・脂漏性、両方のフケ対策におすすめのシャンプーをご紹介します。
【男性向け】フケ対策シャンプーおすすめ10選
続いて、男性向けのフケ対策シャンプーをご紹介します。男性向けは洗浄力が強めのものが多いため、ベタつきが気になる方は、こちらの商品を参考にしてみてください。
フケ対策に効果的なシャンプーの使い方は?

最後にフケ対策シャンプーの効果を最大限に引き出す、シャンプーの正しい仕方を齊藤さんに伺いました。
せっかくフケ・かゆみ対策に有効な成分が入っていても、使い方が間違っていてはもったいないですよね。正しい使い方をマスターして、しっかりと対策をおこないましょう。

齊藤 あき
パーソナルビューティープロデューサー・毛髪診断士
ゴシゴシ擦ると余計に乾燥しフケが増える場合があります。予洗いを念入りにし、頭皮はゴシゴシ擦らず指の腹で優しく洗いましょう。
洗髪よりもすすぎをしっかりおこなうことがポイントです。フケが気になる方は、シャンプー前のオイルケアがとても効果的です。週に2~3回は、シャンプーする前の乾いた頭皮に頭皮用オイルや植物油などを馴染ませてからシャンプーをおこなってみましょう。
まとめ
今回は、フケの原因やフケ対策シャンプーを選ぶ際のポイントを毛髪診断士の齊藤あきさんに伺い、編集部が厳選したフケ対策シャンプーをご紹介しました。
フケは見た目だけではなく、かゆみや乾燥などの不快感にもつながってしまいます。フケ対策シャンプーを使用することは今日からでもトライできますし、効果も期待できるので、ぜひこの記事を参考にして商品を選んでみてくださいね。