子どもの送迎や買い物、通勤、通学、ちょっとそこまで行くのに「ママチャリ」って便利な乗り物ですよね。
ただ、そのママチャリには安いものからお高めのものまで、性能もサイズもデザインもさまざま。どのママチャリを選べばよいのか悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、自転車評論家の疋田智さんがママチャリの選び方や、おすすめのママチャリを用途別にご紹介します!
ぜひママチャリ選びの参考にしてください。
自転車評論家が教えるママチャリの選び方
自転車評論家であり、NPO法人「自転車活用推進研究会」の理事でもあり、「電動アシスト自転車を使いつくす本」(東京書籍)、「新・自転車“道交法“BOOK」(枻出版社)、「ものぐさ自転車の悦楽」(マガジンハウス)、「自転車の安全鉄則」(朝日新書)など自転車関連の著書が多数ある疋田智さんにママチャリについてお聞きしました。
疋田 智
自転車評論家、自転車ツーキニスト
まず最初に「ママチャリ」に「コスパ」を求めてはいけません。「ママチャリ」はもはや製品進化的には限界的な製品で、安いのは悪いし、良いものは高いのです。
特に激安ママチャリに関しては、重いし、精度は低いし、おすすめできるものはほとんどありません。
質の面で言えば、少なくともBAA認定程度は得ていることが大前提です。ただ、BAA認定自転車は「ママチャリとしては若干、値段が高い」です。というわけで、以下2つのポイントを挙げます。
ポイント①用途
通勤通学用なのか、地元の買い物用なのか、サイクリング用なのか、子育て用なのか、運動不足解消用なのか。
その用途に加えて、通常の荷物の多寡、乗る人の年齢、乗る人数など、そのあたりで選ぶべき自転車はまったく違ってきます。
ポイント②地域
坂が多いのか少ないのか、海が近いか遠いか、都会か田舎か、ということもママチャリを選ぶ上で大切です。
疋田 智
自転車評論家、自転車ツーキニスト
ママチャリ選びの決め手は何といっても用途と地域差(坂が多いか、少ないかなど)に尽きます。上記2点を軸にして、選ぶ基準として「小径」なのか「電動アシスト付き」なのか、重量はどの程度か、などが重要になってきます。
ママチャリを買うなら、必須なのは「BAA」マーク
どんなママチャリに関してもいえることですが、買うならば自転車協会認定のBAAマークが付いているものを選びましょう。
一口にママチャリと言っても価格の高低さまざまですが、いったい何が違うのでしょうか?製品の精度、素材、強度、耐久性が違うのです。
よくスーパーやホームセンターで売っている1万円未満の激安ママチャリがありますが、精度が低く素材が重いため、漕ぎの力が推進力に繋がりませんし、悪くするとフレーム断裂、部品が外れて事故、などということになりかねません。
自分やお子さまの命を乗せるものなのですから、ぜひとも安全性の高いものをと切に願います。店頭にある自転車は素人では善し悪しはあまりよく分かりません。だからこそBAAが良い目安になるわけです。
チャイルドシートの適正条件は、以下の記事をチェック!
ママチャリおすすめ11選|用途別に自転車のプロが厳選!
ママチャリの選び方や気を付けたいポイントが分かったところで、ここからは疋田さんおすすめのママチャリを用途別にご紹介します。
【通勤・通学用】ママチャリおすすめ2選
通勤通学用自転車に最適なのは、いわゆる「クロスバイク」という種類です。軽くてタイヤの太さも適当で、フラットバーだからドロップハンドルよりもフレンドリー。そこそこスピードが出て、そこそこ乗り心地もよく、価格もリーズナブルです。
まさにクロスバイクこそが「街乗り最適自転車」といえますが、ここは「オススメのママチャリ」ということですから、ママチャリの中からおすすめをご紹介します。
【地元の買い物用】ママチャリおすすめ3選
お買い物用、普段使いの短距離用の自転車ということでいうと、重い荷物を載せたり頻繁に乗る機会が多いため、耐久性とメンテナンス性が求められます。そこで、その2点を重視したママチャリを3商品ご紹介します。
【子育て用】ママチャリおすすめ4選
子育て用には、もう「電動アシスト子乗せ自転車」の一択しかありません。昨今の急速な進化で取り回しも楽になり、坂道はもちろんスイスイ行けて、子乗せのラインナップも充実している上、小径化で重心も低くなり安全性も改善しました。
一部に「電動アシスト自転車はスピードが出すぎて危ない」という意見がありますが「知らない人によるまったくの誤解」というほかありません。
電動アシスタント自転車のレギュレーションをちょっとでも調べてみれば分かる通り、モーターのアシストは10km/hから漸減し、24km/hでゼロになるように法律で定められているからです。
現実として18km/hあたりから先はスピードを出すのに苦労します。電動アシスタントのママチャリは、モーターやバッテリーなど重い部品を備えていることにより普通のママチャリよりも最高速が出ないのです。
むしろ低速域でのふらつきをなくし、高速を押さえる「安全設計」になっているといえます。
このジャンルに関しては、ヤマハ、ブリヂストン、パナソニックの三社が三様に充実した製品を発表しており、いずれも甲乙つけがたいというのが、正直なところです。
というわけで、この三社でおすすめママチャリをご紹介します。
疋田 智
自転車評論家、自転車ツーキニスト
私ヒキタ自身は現在10歳、8歳、5歳の子持ちですが、保育園への送り迎えなどに電動アシストのママチャリを8年間使い続け、今も使っております(娘5歳がまだ保育園)。坂の多い街ですが、電動アシストの子乗せママチャリの登場により、子どもの送り迎えが楽しくなりました!
【サイクリング用】ママチャリおすすめ2選
サイクリングに出かけるならば、やはりクロスバイクかロードバイク、スポルティフ、ランドナーなどの、いわゆる「スポーツ系の自転車」が適任といえます。
ただ、今回はママチャリのレコメンドなので、サイクリング初心者、ママチャリでサイクリングデビュー、という方に向けたおすすめをご紹介します。
ママチャリのメンテナンス方法~長く使い続けるために~
ママチャリのメンテナンス方法としては、2ヶ月に1度雑巾で拭く、ということでしょうか。きれいになって愛着が湧くということだけではなく、ママチャリを拭くことでネジのゆるみ、チェーンの錆びなど早めに気付くことができます。
その場合、ネジは締めて、チェーンにはケミカルスプレーを吹きましょう。 また、タイヤに空気を入れることは必須です。タイヤの空気は次第に漏れてくるものなので、2ヶ月に1度程度パンパンになるまで空気を入れると走りが甦ります。
それに加えてパンクもしにくくなるのです。なぜかというと、タイヤから空気が抜けていると、ホイール外枠のリムと段差の間にタイヤが挟まれてチューブに穴があく「リム打ちパンク」が起きるからです。
リム打ちパンクは全パンクのおよそ8割以上(※ヒキタ推測「でも当たらずとも遠からず」)ですから、タイヤに空気を入れさえすれば、ほとんどのパンクは防げるのです。
また、サドルを通常よりも持ち上げると(つま先立ちで地面に足が届く程度)自転車の走りが格段に軽くなりますよ。
おすすめのママチャリを比較する
まとめ
ママチャリは定期的なメンテナンスをしっかりすれば、快適な走り心地をキープできます。ぜひ自転車のことを知り尽くした疋田さんおすすめのママチャリやその選び方、メンテナンス方法を参考にしてみてください。
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