CDプレーヤーに代わる次世代の音楽再生機器として、ネットワークオーディオプレーヤーが近年注目を集めています。
一見、マニア向けと思われがちですが、一般的なCDプレーヤーに近い感覚で操作することができるので、慣れてしまえば初心者でも簡単に使いこなすことが可能です。
自分の好きな音楽をより高音質で楽しみたいなら、ハイレゾ対応のネットワークオーディオプレーヤーがマストです。
そこで、オーディオ専門家の麻倉怜士さんにネットワークオーディオプレーヤーの選び方のポイントをお聞きしました。
編集部お勧めの商品もご紹介しているので、自分のリスニング環境に合うベストな一台を見つけてみてください。

ネットワークオーディオプレーヤーとは?
ネットワークオーディオプレーヤーとは、コンピューターネットワークを利用して音楽を再生するオーディオ機器のことです。
昔は一部マニア向けのオーディオでしたが、最近はネット環境の整備により、対応機器さえ用意すれば誰でも手軽に楽しむことが可能になりました。
アンプやスピーカーを内蔵した機種もありますが、ネットワークオーディオプレーヤーは再生機能をメインとするため、外部周辺機器との連携が必要です。
- オーディオメーカーの技術が詰め込まれているため音質が良い
- CDプレーヤーのように音質の劣化がなく、可動部品がないため本体自体の寿命も長い
- 一度音源をHDDに入れれば、あとはPCを立ち上げる必要も、CD入れ替えの必要もない
- 好きな曲を、好きな順番で聴くことができる
- プレイリストが作れる
- ネット環境が整っていないと使用できない
- PCやスマホなどの基礎知識がない方には少しハードルが高い
ネットワークオーディオプレーヤーの選び方のポイント

自分のリスニング環境に合ったベストな一台を見つけることができるよう、購入前におさえておきたい3つのポイントをご紹介します。
小型でも外部機器が必要なものは置き場所に注意
ネットワークオーディオプレーヤーは、本体自体はそこまで大きすぎるものではありません。
しかし、単体製品はアンプやスピーカーなどの外部機器が必要です。そのサイズを考慮して置き場所を考えましょう。
お手持ちのCDを聴きたいなら一体型モデルがおすすめ
お手持ちのCDを聴きたい方は、CDプレーヤー一体型を選びましょう。
価格は少し上がりますが、CDプレーヤーを別途用意する必要が無くなります。
Wi-Fiだけでなく、Bluetooth対応かどうかもチェック
Wi-Fiによる無線LAN接続に対応するネットワークオーディオプレーヤーが増えています。
さらに、Bluetoothにも対応したモデルを選べば、スマートフォンやタブレットなどに保存した音源をワイヤレス再生することも可能です。
音の専門家・麻倉怜士氏が語るハイレゾの魅力
オーディオ・デジタルメディア評論家、津田塾大学で音楽理論を教える大学講師とさまざまな肩書をもつ麻倉怜士氏に、ハイレゾの魅力を語っていただきました。
目の前で演奏を楽しむほどの臨場感
「高い(ハイ)」「解像度(レゾリューション)」を意味する情報量の多いオーディオ音源「ハイレゾ」は、2011年頃に誕生しました。
ストリーミング再生の人気が高まりつつある一方、より高音質でじっくり音楽を聴きたいという方も増えています。ハイレゾはそんな高音質派の方々に支持されています。
CDの音源を音の缶詰と表すなら、ハイレゾは目の前で演奏を聴いている感覚です。
音域の広さと奥行きの深さが特徴
「CDより何倍音がいいの?」思う方が多いですが、一度聴き比べればその違いはすぐにわかります。
音の良し悪しには2つの尺度があり、ひとつは「音域の広さ」です。CDでは人間の聴力の範囲の2万Hz(ヘルツ)しか聴こえないのですが、ハイレゾはその2倍や3倍、それ以上など、数倍の音を体感することが可能です。
耳に聴けない超高域が大切な理由は、体で聴いた超高域情報が神経系統を経由し脳に送られ、脳内で可聴帯域の音質を格段に向上させるからです。つまり、ハイレゾによる音質向上の大きな要因になるためです。
もうひとつの尺度は、音の弱さと強さの比を表した「ダイナミックレンジ」です。CDが100db(デシベル)以下なのに対し、ハイレゾは140db・150dbにもなり、CDでは聴こえないレベルの音まで入っています。
このダイナミックレンジの深さが、ハイレゾ音源の強みです。
圧縮音源とハイレゾの心地良さの差を体感してほしい
CDが誕生してから40年以上経ちましたが、「音が少しくらい悪くてもいいから手軽に音楽を楽しみたい」という意見や、「好きな音楽をより良い音質で聴くことができたほうが人生がもっと楽しくなる」など、音楽の楽しみ方は人それぞれです。
圧縮音源とハイレゾ音源では、ファストファッションのTシャツとハイブランドのTシャツくらい心地良さに差があります。ぜひ一度ネットワークオーディオプレーヤーでハイレゾ音源を楽しんでみてください。
ネットワークオーディオプレーヤーおすすめ12選
ここからは編集部おすすめのネットワークオーディオプレーヤーをご紹介します。
ネットワークオーディオプレーヤーの接続方法を知ろう
ネットワークオーディオプレーヤーは、パソコンなどでダウンロードした音源を、有線ケーブルやWi-Fiなどの無線システムを経由し、ネットワーク対応のNASにある音源を再生するシステムです。
NASとはネットワーク上に接続することができるハードディスクのことで、一般的なハードディスクと異なり複数の機器で共有できる点がポイントです。
PC、ルーター、NAS、スマホやタブレットの操作端末、(機種によって)アンプやスピーカーがそろっていれば、ネットワークオーディオプレーヤー環境が整います。
接続の際の注意点
ネットワークオーディオプレーヤーの多くは、DLNA(Digital Living Network Alliance)というネットワークの規格に対応しています。
DLNAとは、異なるメーカーの機種をネットワークで互換させるガイドラインです。このガイドラインに対応していないと使えない場合があるため注意が必要です。
お手持ちのパソコン周辺機器やアンプ・スピーカー等の外部機器がDLNA規格かどうか購入前に確認しておきましょう。
まとめ
パソコンの基本的な知識があれば誰でも気軽にネットワークオーディオプレーヤーを自宅に取り入れることができ、音楽環境を向上させることが可能です。
一度ネットワークに接続してしまえば、あとは操作が簡単かつ、とても快適なので、気になっている方は数万円で購入できる入門機から試してみてはいかがでしょうか。