カジュアルコーデやアウトドアコーデ、きれいめビジネスカジュアルコーデなど、さまざまなファッションに合わせやすいチノパンですが、たくさんの種類があるので、コーデの合わせ方や選び方を知りたい方も多いのではないでしょうか。
今回は、「男のための恋活・婚活学校」で外見担当プロデューサーとして年間300名以上の方をスタイリングしているスタイリストの尾形靖雄さん監修のもと、チノパンの選び方をご紹介します。

チノパンとは

チノパンとは、チノクロスと呼ばれる綾織りの綿の生地で作られたパンツのことです。コットンパンツは、綿の生地で作られたパンツの総称なので、チノパンはコットンパンツの一種になります。
チノパンの選び方のポイント
ここからは、チノパンの選び方について解説します。チノパンを選ぶ際のポイントは、5つあります。
用途・着用シーン
まずは、どんなシーンで着用するのかを考えましょう。着用シーンによって、適切なチノパンは異なります。
例えば、オフィスカジュアルのようなキレイめのコーディネートをしたい場合、腰パンやダボダボのシルエットはNGです。細身でフィット感のあるチノパンのほうが、清潔感がありオフィスでも違和感なく着こなせます。
逆に、アウトドア系コーディネートや、アメカジ系のラフな着こなしの場合、あまりにタイトなチノパンはイメージに合いません。少しシワが寄り、裾も少し溜まるようなサイズ感のほうが適切です。
サイズ感
特にオフィスカジュアルやフォーマルな着こなしにおいて、サイズ感は非常に重要です。ご自身のサイズに合っていないと、ダボダボでだらしなく見えたり、タイト過ぎて若々しすぎる印象になったりします。
太もも周りは、親指と人差し指で軽くつまめるくらいのゆとりがあるとよいでしょう。つまみにくい、3〜4本の指でつまめるといった場合には、別のサイズをお試しください。
ウエストは、指1〜2本入るくらいがおすすめです。ゆとりがありすぎる場合、ベルトで無理に締めるとシワが寄って見栄えが良くないので、サイズ変更をおすすめします。
股下は、靴に少し掛かるくらい(ワンクッション)がおすすめです。ウエストで合わせた結果、裾が溜まってしまう場合、裾上げしてベストな長さに調節しましょう。

尾形 靖雄
ファッションスタイリスト
ビジネスカジュアル用のチノパンを選ぶ際のチェックすべきポイントは、サイズとシルエットです。ダボダボしたシルエットのチノパンはだらしがない印象を与えてしまうので、ビジネスシーンには合いません。
一方で細すぎるチノパンも同様です。極端なシルエットは避け、バランスの良い自然な太さのチノパンを選ぶことがポイントです。
タック
タックとは、ウエスト部分から伸びるヒダ部分のことです。スーツのスラックスを見ると、ウエスト部分からまっすぐひとつの折れ目があるかと思います。チノパンはもともと軍服として作られ、現在のようにカジュアルな着こなしのできるパンツへと変化していきました。
このような経緯があるため、ヒダが1つ〜2つのワンタックやツータックから、ヒダのないノータックまで幅広いラインナップがあります。
一般的に、フォーマルなコーディネートならワンタックやツータック、カジュアルに合わせるならノータックがよいでしょう。とはいえ、昨今ではゆったりしたシルエットのワンタック・ツータックチノパンを、カジュアルに着こなすコーディネートも増えてきています。
カラー

チノパンといえば、ライトベージュやカーキをイメージする方が多いでしょう。しかし、ブラックやネイビー、グレーも非常に人気があります。
カラーは、組み合わせるトップスやシーンに合わせて考えて決めましょう。例えば、明るい色のシャツやポロシャツと暗い色のチノパンを合わせると、上下のバランスが良くなります。上下ともに暗くすると落ち着いた印象に、明るくすると華やかな印象になります。
また、着用する季節に合わせるのもおすすめです。夏はライトベージュやネイビー、秋ならブラウンやカーキなど、季節のイメージに合わせると「季節感を取り入れたコーディネート」に見えるかもしれません。
素材
チノパンの素材は「チノクロス」や「ウエストポイント」と呼ばれる、斜めの織り目が特徴の布が使用されています。
しかし、昨今ではジーンズ以外の綿系の生地を使用したパンツ全般をチノパンと呼ぶメーカーが多いようです。実際、織り目がほとんどないものや、ほぼスラックスのような布地のチノパンもあります。
素材は、綿100%か、綿と化学繊維の混合がほとんどです。少し細めでフォーマルなチノパンの場合は、伸縮性のある綿と化学繊維の混合がよいでしょう。
逆に、綿100%の頑丈かつ柔らかな風合いは、カジュアルな着こなしにマッチします。誰もが想像する「ザ・チノパン」という雰囲気のものが欲しい方は、綿100%のものを選ぶと良いでしょう。
チノパンのメーカー・ブランド別の特徴

チノパンはメーカーやブランドによって、コーデのコンセプトやシルエットに特徴があります。ここからはチノパンのメーカーやブランドの特徴についてご紹介します。
インコテックス(INCOTEX)
イタリアのヴェネツィアでカルロ・コンパーニョ氏が創業したパンツブランドです。
厳選された素材、高度な技術によって洗練された美脚シルエットと、履き心地の良さが特徴です。
スタイリッシュな色合いやデザインのチノパンが多く、落ち着いた大人コーデを楽しめまず。
ディッキーズ(Dickies)
C.N.ウィリアムソンとE.E.ディッキーが「Dickies」の共同創業者であり、労働者のニーズに合わせさまざまな工夫が施された製品を多く取り扱っています。
丈夫で汚れにくく、どんな体型の方にもフィットするのが特徴です、
ピーティーゼロチンクエ(PT05)
イタリアのパンツブランド「PT01(ピーティーゼロウーノ)」から派生したカジュアルパンツを展開するブランドです。
ジャケットに似合うパンツが多く、きれいめなコーデにおすすめです。
ベンデイビス(BEN DAVIS)
サンフランシスコで創業したワークウェアブランドで、アメリカンカルチャーやアメリカンカジュアルが好きな方々に根強い人気があります。
ベーシックなデザインと今の時代にぴったりなサイズ感の中に、ワークやストリートの要素を取り入れています。
バリーブリッケン(BARRY BRICKEN)
アメリカを代表する最高級トラウザーブランドです。
日本人の体形に合うよう股上を浅めに設定し、細身に仕上げています。
まとめ
チノパンにはさまざまな種類がありますが、購入するときには「カジュアルコーデ」「きれいめ&ビジネスカジュアル」「アウトドア」などのコーデに合わせた商品を選びましょう。
また、色合いや形だけではなく、伸縮性や防汚性などの機能性に長けた商品もあるので、用途に合った選び方をすることで、長く履き続けられるお気に入りの1本が見つかるはずです。