犬のおもちゃは、ストレス解消やコミュニケーションツールとして使えるものから、しつけや健康管理に使えるものまで、種類も役割もさまざまです。
一方で、愛犬に合わないおもちゃを与えると、怪我や病気の原因になることもあるので、注意が必要です。
そこで今回は、動物取扱責任者・小動物介護士の資格を持つ松本ともこさんに、犬のおもちゃの役割や選び方についてお話を伺いしました。
おすすめの商品もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
犬のおもちゃの役割
犬のおもちゃは、ストレス解消やコミュニケーションツールとしてなど、さまざまな役割を担います。
犬にとっておもちゃはどんな存在なのか、松本さんに伺いました。
目的に合ったおもちゃを選ぶためにも、おもちゃでできることを確認しておきましょう。
犬のストレス解消
愛犬にとって「おもちゃ」とは、人間と一緒に遊んだり、1人で遊んだりすることでストレス解消ができる必須アイテムです。
歯の生え替わり時期に、歯の違和感を解消したくて噛めるものを探しているとき、うっかり危ないものを口に入れないためにも、思う存分噛めるおもちゃで歯ごたえを感じてもらい、ストレスを解消させてあげましょう。
松本 ともこ
動物取扱責任者(保管/ペットシッター)/ラジオパーソナリティー/ホリプロ所属
大前提として口に入れ続けても良い素材のおもちゃにしなければなりません。
飼い主とのコミュニケーション
おもちゃを使って褒めてあげたり、愛犬からの「遊んで」のシグナルをキャッチしたり、おもちゃは愛犬との信頼関係を作る上で重要なツールです。
飼い主さんと愛犬が一緒に遊ぶことは、会話の一部と言っても過言ではありません。
松本 ともこ
動物取扱責任者(保管/ペットシッター)/ラジオパーソナリティー/ホリプロ所属
愛犬がおもちゃ遊びに飽きるまでとことん付き合ってあげるのがいちばんなのですが、一度スイッチが入るとなかなか遊びに終わりがみえず、ボール遊びやひっぱり合いがエンドレス状態になります。
しかし、「おしまい!」と言って、おもちゃのボールを急に取り上げてしまうと、逆にストレスを感じさせてしまいます。
おもちゃを使って会話し、「よくできたね!」と褒めてあげたりして、別の興味に促しながら良好なコミュニケーションをとっていきましょう。
健康管理
愛犬にとって心地よい「お気に入りのおもちゃ」を知り、遊び方を日々観察すると愛犬の体調も見えてきます。
例えば、おもちゃを右の歯でばかり噛んでいたら、「左の歯に何か痛みがあるのかな?」などの気づきがあります。普段と違う遊び方をしているときは注意して観察してみてください。
また、噛むことによって歯垢を除去する、デンタルケアができるおもちゃなら、遊びながら健康管理もできて一石二鳥です。
松本 ともこ
動物取扱責任者(保管/ペットシッター)/ラジオパーソナリティー/ホリプロ所属
投げるおもちゃなどを使って屋外で走り回って遊ぶことで、運動不足が解消され心身の健康維持にも繋がるでしょう。
しつけ(習慣付け)
食べ物を使用したしつけもありますが、食べさせて良い量には限度があるのであまり回数を重ねることができません。そこでおもちゃの出番です。
松本 ともこ
動物取扱責任者(保管/ペットシッター)/ラジオパーソナリティー/ホリプロ所属
おもちゃを使ったしつけであれば何度でもできますし、おもちゃの種類によっては「待て」「おいで」「よし」などを覚えさせることもできます。おもちゃで楽しく遊びながら、しつけてあげましょう。
犬のおもちゃの選び方
続いては、犬のおもちゃの選び方をご紹介します。合わないおもちゃをあげると愛犬を傷つけてしまうこともあるため、愛犬に合うものを与える必要があります。
喜んでもらおうと与えたおもちゃが、病気や怪我の原因になってしまわないよう、どんなことに気をつけて選べばよいのか松本さんに伺いました。
- 犬の大きさにあったサイズを選ぶ
体格や骨格、そのほか犬種が持つ特徴に合ったおもちゃを選ぶことが重要です。小型犬の中には骨が細い犬種も多く、過度な動きは骨折などの怪我につながるため気をつけてください。 - 体調に合わせて選ぶ
股関節形成不全やヘルニアなど、少しでも問題がある場合は、腰に負担がかかるものやジャンプを促すおもちゃはNGです。例えば、急旋回させる運動は腰に負担がかかります。愛犬の状態を把握してからおもちゃを選びましょう。 - 犬にとって安全なものを選ぶ
目や鼻などにボタンを使っているぬいぐるみや、ビーズの飾りが付いているものなど、遊んでいる間にパーツが取れてしまうものは避けましょう。
飼い主が気づかないうちに、取れたパーツを愛犬が飲み込む(誤飲)危険性がありますので、丈夫で壊れないもの、舐めても大丈夫なものを選びましょう。 - 清潔に保てるものを選ぶ
お気に入りのぬいぐるみなどは、あっという間に唾液で汚れてしまうので注意しましょう。清潔な状態を保つために、手洗いや洗濯ができるものを選ぶとよいでしょう。
犬のおもちゃの種類
犬のおもちゃはオーソドックスなボールやぬいぐるみ、飼い主との引っ張り合いが楽しいロープ型おもちゃ、愛犬が頭を使って遊んでくれる知育おもちゃまで、たくさんのおもちゃが販売されています。
そんなおもちゃの種類について、松本さんに特徴を伺いました。
ボール型おもちゃ
ボール型のおもちゃは投げて取ってきてもよし・転がして遊んでもよしと、小型犬・大型犬を問わず幅広いタイプの犬が遊べる万能アイテムです。
ボールを咥えて喜んで持ってくる愛犬の姿は、なんとも微笑ましく幸せな気持ちにさせてくれます。
噛むと音が鳴るものや歯磨き効果のあるもの、ゴム製で耐久性に優れるものなどさまざまな種類のボールがあります。
ぬいぐるみ型おもちゃ
噛んでストレス解消かと思いきや、クッションとしても愛用できるのが、ぬいぐるみ型おもちゃです。愛犬にとって愛着の湧きやすいアイテムでもあります。
水洗いのできる素材を選び、適度に洗って清潔な状態を保ちましょう。
ロープ型おもちゃ
引っ張り合って犬の本能を引き出す、愛犬にとって最も刺激的な遊びができるおもちゃです。あまりに興奮し過ぎて我を忘れてしまうことがあるので、遊びながらも怪我に注意しましょう。
ぬいぐるみ型おもちゃと同様に、丈夫で壊れにくく、水洗い可能な商品を選びましょう。
知育おもちゃ
頭を使いながら遊ぶことができ、適度な疲労感で雨の日などの外に出られないときでもストレス解消になります。おやつをおもちゃの中に入れるタイプのものが多く、長い時間、夢中になって遊んでくれます。
おもちゃによっては飼い主さんも一緒に楽しめるかもしれません。
犬のおもちゃおすすめ25選|シーン別にご紹介
ここからは、動物取扱責任者・小動物介護士の資格を持つ松本ともこさんと編集部が選んだ、おすすめのおもちゃをシーン別にご紹介します。
ストレス・運動不足解消の犬のおもちゃおすすめ5選
アスファルトが高温になる猛暑の時期や、雨が続く梅雨の時など、散歩に行けない日が続くと愛犬はストレスが溜まったり、運動不足の状態になります。
そんな時は、ストレスや運動不足を解消してくれる、家の中でも夢中になれるおもちゃがおすすめです。
1人で遊んでほしい犬のおもちゃおすすめ5選
家事や育児、仕事やお出かけなどでいつも愛犬と一緒にいられるわけではないでしょう。
そんな時、ひとりで遊んでくれるおもちゃがあれば、愛犬も寂しさを紛らわすことができるかもしれません。
外で遊ばせたい犬のおもちゃおすすめ5選
「晴れた日には外で思いっきり遊ばせたい」というあなたに、ここからはドッグランやアウトドアで大活躍するおもちゃをご紹介します。
コミュニケーションがとれる犬のおもちゃおすすめ5選
休日や時間のある時に活躍する、愛犬と一緒に遊びながらコミュニケーションがとれるおもちゃをご紹介します。
見た目もかわいいので、愛犬だけでなく飼い主さんも楽しめます。
デンタルケアができる犬のおもちゃおすすめ5選
犬のおもちゃの中には、噛むことで食べかすや歯垢を落とす「歯磨き効果」のあるものもあります。遊びながらお口をケアして、虫歯や歯周病を防げるため一石二鳥です。
愛犬のことを考えると、ひとつは持っておきたいアイテムです。
まとめ
愛犬とおもちゃで遊んでいると自分までリラックスできて、なんだかほっこりした気分になりますし、大喜びでボールを咥えて帰ってくる姿はとても癒されます。
犬のおもちゃは犬種や用途によっても選び方はさまざまなため、安全にも配慮する必要があります。
ピッタリのおもちゃを見つければ愛犬もきっと喜んで遊んでくれます。
おもちゃ選びで迷ったときは、この記事を参考にいろいろ試して、お気に入りのおもちゃを探してみてください。