「安全で健康にいいキャットフードを食べさせたい!」と思うのは、猫を飼い主に共通している思いではないでしょうか。
さまざまな種類のキャットフードが販売されていますが、今注目されているのが、米・小麦・大麦・エン麦・トウモロコシなどを使用せずに作られたグレインフリーのキャットフードです。
魚や肉などの主原料から選んだり、飼い猫の対象年齢から選んだり、ドライタイプ・ウェットタイプなど食感から選んだり…さまざまな選び方があるグレインフリーのキャットフードです。
今回は、猫に与えることのメリットや商品の選び方などを、動物のプロである獣医師の石井万寿美先生に教えていただきました。
「グレインフリーって何?」「どんなことに注意して選べばいいの?」そんな疑問を、プロのアドバイスを参考にしながらしっかりと解決していきましょう。
- グレインフリーのキャットフードとは?
- グレインフリーのキャットフード6つの選び方とは?獣医師・石井万寿美先生が解説
- ①食べ物として安全性の高いものを選ぶ
- ②魚や肉などの主原料で選ぶ
- ③無添加のものやオーガニック製品など成分で選ぶ
- ④子猫、成猫(アダルト猫)、シニア猫など、愛猫の対象年齢で選ぶ
- ⑤総合栄養食、一般食、食事療法食で選ぶ
- ⑥ウェットタイプ・ドライタイプの種類で選ぶ
- ウェットタイプのキャットフードおすすめ20選
- 【総合栄養食】ウェットタイプのキャットフード4選
- 【一般食】ウェットタイプのキャットフードおすすめ12選
- 【食事療法食】ウェットタイプのキャットフードおすすめ4選
- ドライタイプのキャットフードおすすめ17選
- 【総合栄養食】ドライタイプのキャットフードおすすめ11選
- 【一般食】ドライタイプのキャットフードおすすめ2選
- 【食事療法食】ドライタイプのキャットフードおすすめ4選
- まとめ

グレインフリーのキャットフードとは?

「グレインフリー」とは、穀物(米、小麦、トウモロシ)を原材料に使用していないフードのこと。猫は肉食なので、グレインフリーの食事がいいですね。
下痢気味の子は、グレインフリーにしただけで健康なウンチになる子もいます。
グレインフリーのキャットフードは、肉や魚など限られた原材料を使用しているのが特徴です。穀物のアレルギーを持つ猫の健康管理に適しているフードといわれています。
安全性が気になる場合は、魚や肉の種類まで明記されているものを選びましょう。
むやみやたらにグレインフリーのキャットフードを食べさせるのは危険です。愛猫が穀物アレルギーでなく別の病気だった場合、悪化させてしまうことにもなりかねません。獣医師の診察を受けるのがおすすめです。
グレインフリーと似ている言葉に「グルテンフリー」があります。グルテンとは小麦などに含まれるタンパク質のことで、それを配合していないもののことです。麦類のアレルギーを持つ猫であればグルテンフリーがおすすめです。
グレインフリーのキャットフード6つの選び方とは?獣医師・石井万寿美先生が解説

グレインフリーのキャットフードは、一体どのような基準で選べばよいのでしょうか?獣医師である石井万寿美先生に選び方を教えてもらいました。愛猫の年齢や好み、体調などを考えながらチェックしていきましょう。
①食べ物として安全性の高いものを選ぶ

毎日口に入れるものを厳選するのは、私たち人間も同じですよね。同じように、家族である猫にも、安全性の高いものを食べさせたいと思うのは当然のことです。
ドライタイプのキャットフードはなるべく賞味期限が短いもののほうがおすすめです。賞味期限を伸ばすために人工添加物が多量に用いられるケースが多く、猫の体には負担になります。
また、パウチや缶タイプでもともと賞味期限が長く設定されているウェットタイプのキャットフードは、製造年月日が新しいもののほうが新鮮でよいでしょう。
生産国の安全基準をチェックしてみよう
人間の食品については安全といわれる日本産ですが、キャットフードに関してはまだまだ法整備が追いついておらず、「日本産」と表記されていても安全だとは言いきれません。
ペットに関する法整備が進んでいるアメリカやヨーロッパのほうが、キャットフード製造の基準が明確にあり、原材料や成分を厳しく検査しています。
たとえば、アメリカでは「AAFCO(米国飼料検査官協会)」「FDA(食品医薬品局)」といった検査機関があり、ペットフードを厳しくチェックしているそうです。
では、具体的にはどのような国のフードがよいのでしょうか?

石井 万寿美
獣医師、作家
猫を飼うという歴史があるところがいいですね。具体的には、アメリカ、イギリス、カナダなどの先進国のフードが比較的安全になります。
②魚や肉などの主原料で選ぶ


石井 万寿美
獣医師、作家
グレインフリーは、穀物が入っていないフードのこと。一般的には、チキンが多いです。まれにチキンアレルギーの猫もいますので注意してください。主材料には、ターキー(七面鳥)、魚、ウマなどもあります。
がんの猫には魚のフードがいいので、疾患によって使い分けてくださいね。
グレインフリーのキャットフードで使われている主原料は、鶏・ダック・ターキー・牛・マグロ・サーモンなどバリエーションが豊富です。愛猫が普段から好んで食べる食材を使用したものを選びましょう。
主原料を確認するには、パッケージに表示されている原材料名の欄をチェックしましょう。最初に記載されている原材料ほど、その商品に多く含まれています。
具体的な肉や魚の名前が記載されていれば特に問題ありませんが、ミートミール・家禽ミールなどと記載されているものは要注意です。
すべてのミールミートや家禽ミールが悪いわけではありませんが、品質管理ができていないメーカーの場合、骨や鶏の羽毛など愛猫に食べさせたくないものが含まれていることがあります。
できるだけ、品質管理にこだわっているメーカーのフードを選ぶようにしましょう。
③無添加のものやオーガニック製品など成分で選ぶ

猫が食べる食品として、キャットフードにも保存料や酸化防止剤、着色料や香りをよくする人工香料などが入っています。
それらは食いつきをよくするためであったり、長く腐らず保存ができるようにと工夫された人間の知恵ではありますが、猫にとっては消化の負担になる場合があります。

石井 万寿美
獣医師、作家
無添加のキャットフードとは、酸化防止剤としてローズヒップやビタミンC、Eが添加されるだけのものを指します。着色料なども含まれていません。
人が食べる食の安全性が高いといわれている日本でも、キャットフードの法規制や基準などは、まだまだきちんと整備されているとはいえません。
完全無添加のものを探すのはなかなか難しかったり、値段が高いものが多い状況ですが、猫の体に安心なオーガニックのものだったり、無添加のものを探したいですね。
④子猫、成猫(アダルト猫)、シニア猫など、愛猫の対象年齢で選ぶ


石井 万寿美
獣医師、作家
年齢については、
子猫は1歳まで
成猫(アダルト猫)は1歳から7歳
シニア猫は7歳以上
となります。
キャットフードすべてにいえることですが、グレインフリーのキャットフードも愛猫の年齢に合わせて選びましょう。
多頭飼いの場合など、ぞれぞれの年齢に応じて複数種類のフードを用意するのが大変であれば、全年齢対象のフードが便利です。

石井 万寿美
獣医師、作家
猫は腎臓が弱く、シニアになると高タンパク質では慢性腎不全になりやすいため、年齢に応じたタンパク質が必要ですね。
というように、タンパク質をはじめとした栄養は、子猫用、アダルト猫(成猫)、シニア猫用などそれぞれの年齢に合うように選びましょう。
⑤総合栄養食、一般食、食事療法食で選ぶ

すべてのキャットフードは、「総合栄養食」「一般食」「食事療法食」の3つに分かれます。
それぞれ猫に与える目的が違うので、目的にあったキャットフードを選んであげるのも大切なことです。
総合栄養食
総合栄養食と表記のあるキャットフードと、汚れていない新鮮な水のみを与えれば猫が生きていくのに必要な栄養素は満たされる、というものです。
食いつきがとても優れているというわけではないので、毎日同じものを食べてもらうには一般食と混ぜるなど、工夫が必要かもしれません。
一般食
猫にとってのおやつ、おかずのようなものです。さまざまな味や香りのものがあり、食感も肉感があるものからペーストのようなやわらかいものまで、猫が喜ぶ工夫がたくさんあります。
ただ、一般食だけを食べさせていると栄養バランスが崩れてしまいます。人間でもおやつだけでは太ったり、栄養が偏ってしまいますよね。時折のご褒美として、猫との絆を高めるのに使うのがおすすめです。
食事療法食
特定の病気などの進行を遅らせたり、食事で病気を改善するために用いられるキャットフードです。
基本的には自己判断で与えるものではなく、体調に合わせて獣医師さんと相談の上、適したものを与えましょう。
⑥ウェットタイプ・ドライタイプの種類で選ぶ

キャットフードは、含まれる水分量によってドライタイプとウェットタイプに分かれます。
ウェットタイプ
ウェットフードとは、水分の多いキャットフードのことです。フレークタイプやパテタイプ、ゼリータイプ、スープタイプなどといった種類があります。
一般食の種類が豊富で、総合栄養食の種類は多くありません。食事療法食のウェットフードはあまり販売されていませんので、ウェットタイプの療法食を探している場合は獣医師さんに相談してみましょう。
ウェットフードは、猫にとって嗜好性が高いので、喜ぶ子も多いです。水分が多いので、下部尿路疾患や慢性腎不全の子たちにはいいです。
デメリットとして、水分が多い分食べている割に太りにくいなどということがあります。総合栄養食が少ないので、購入されるときはよく確認をしてくださいね。
ドライタイプ
「カリカリ」とも呼ばれている、水分量の少ないキャットフードですが、水分量10%未満がドライタイプと呼ばれています。
ソフトドライタイプ、セミモイストタイプと呼ばれる水分量が25〜30%の柔らか食感のものもありますが、商品の種類は多くありません。
一般的にドライタイプは総合栄養食のものが多いのですが、グレインフリーのドライタイプは、実はウェットタイプに比べるとあまり種類が多いとは言えません。
原材料(魚や肉)をほぐしてそのまま缶詰やパウチにするウェットタイプと違い、ドライタイプは安く大量に生産するため、小麦粉やコーンなどの穀物でかさ増しされている場合が多くあるのです。
ドライタイプ、なおかつグレインフリーの総合栄養食を求めている場合は、きちんと成分表を確認して、穀類などが入っていないことをチェックしましょう。
ドライフードは総合栄養食が多く、栄養のバランスも抜群です。デメリットは、水分がほとんどないので下部尿路疾患などになる子が多いことです。水分補給を忘れないよう、注意しましょう。
ウェットタイプのキャットフードおすすめ20選
ここからは、グレインフリーのウェットタイプのキャットフードを紹介していきます。
ウェットタイプはドライタイプと異なり、総合栄養食や食事療法食はあまり多くなく、缶詰タイプの一般食が多く見受けられました。
獣医師である石井万寿美先生に教えてもらったアドバイスを参考にしながら、愛猫にぴったりなフードを見つけてみてください。
【総合栄養食】ウェットタイプのキャットフード4選
いつものグレインフリーのドライタイプに飽きてしまったという猫も、ウェットタイプならば大喜びするのではないでしょうか。
【一般食】ウェットタイプのキャットフードおすすめ12選
ウェットタイプに多い一般食。おやつやおかずも、猫に安心安全なものをあげたいですよね。
グレインフリーのものなら、体調を気遣いつつ安全におやつタイムが楽しめます。
【食事療法食】ウェットタイプのキャットフードおすすめ4選
グレインフリーであり、なおかつ食事療法もできるウェットフードはとても数が少なく、一般的にはドライタイプを食べさせているご家庭も多いかと思います。
病気でも、おいしいものを食べさせてあげたい。そんな優しさが詰まったキャットフードを探してみました。
ドライタイプのキャットフードおすすめ17選
次に、グレインフリーの中でも多いドライタイプの商品から紹介!
獣医師である石井万寿美先生に教えてもらった選び方をもとに厳選しています。カリカリ好きの愛猫を飼っている方は、ぜひチェックしてみてくださいね!
【総合栄養食】ドライタイプのキャットフードおすすめ11選
グレインフリーのカリカリは外国産のほうが日本より種類が豊富で、多くのキャットフードがありました。
原材料も、チキンやサーモンなどよく目にするものから、ダックやスケトウダラ、ラムなど日本国内ではあまり見かけないものもありましたので、以下でご紹介いたします。
【一般食】ドライタイプのキャットフードおすすめ2選
一般食、なおかつグレインフリーとなると、日本人ならドライタイプは鰹節などを想像するかもしれません。
フリーズドライのものが多くありました。ドライタイプなら、外でおやつを食べさせたりする際も便利です。
【食事療法食】ドライタイプのキャットフードおすすめ4選
病気や疾患を患っている猫には、特に体調のことを気遣いたくなるもの。グレインやグルテンが入っていないものなら、猫の消化によく、体の負担にもなりにくいです。
まとめ
グレインフリーのキャットフードの選び方や人気の商品を紹介しました。生産地や現材料がよいものでも、愛猫の好みに合うかどうかは実際に食べさせてみないとわからないものです。
石井万寿美先生による選び方のアドバイスを参考にしながら、愛猫のお気に入りのフードを見つけてみてください。