生活環境の変化や日々のストレス、加齢などによって、男性のなかには薄毛や抜け毛に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
薄毛や抜け毛の対策として、シャンプーにも気を遣う必要がありますが、さまざまな商品があるため、どれを選んだらよいのか迷ってしまうと思います。
そこで今回は、毛髪診断士の齊藤あきさんに、薄毛や抜け毛の原因をはじめ、男性向けシャンプーの選び方や正しい頭の洗い方を解説していただきます。
さらに編集部が厳選したおすすめの男性向けシャンプーを、乾燥肌や脂性肌などタイプ別にご紹介します。
薄毛や抜け毛でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
- シャンプーには効果がある?毛髪診断士が薄毛・抜け毛の原因についても解説
- 男性の薄毛・抜け毛の原因は?
- 男性向けと女性向けに違いはある?
- 男性向けシャンプーの選び方|5つのポイントをチェック
- アミノ酸系やベタイン系など洗浄成分で選ぶ
- 脂性肌や乾燥肌など頭皮のタイプで選ぶ
- 医薬部外品と明記のある薬用シャンプーかどうかで選ぶ
- 洗い上がりや香りなどの使用感で選ぶ
- コスパで選ぶ
- 男性向けシャンプーの洗浄成分を知ろう
- アミノ酸系
- ベタイン系
- 石けん系
- 高級アルコール系
- 男性向けシャンプーおすすめ31選|頭皮タイプ別に編集部が厳選してご紹介
- 【乾燥肌】男性向けシャンプーおすすめ8選
- 【脂性肌】男性向けシャンプーおすすめ17選
- 【敏感肌】男性向けシャンプーおすすめ6選
- 男性向けシャンプーを使った正しい洗い方
- ①予洗い
- ②500円玉程度の大きさを目安にシャンプー量を手にとり洗う
- ③髪の生え際から頭頂に向かって洗う
- ④時間をかけて洗い流す
- ⑤ドライヤーは「温風」と「冷風」を使い分ける
- まとめ

シャンプーには効果がある?毛髪診断士が薄毛・抜け毛の原因についても解説
まずはシャンプーの効果について、毛髪診断士の齊藤あきさんに解説していただきました。

齊藤 あき
パーソナルビューティープロデューサー・毛髪診断士
シャンプーは、頭皮を洗うためのものです。そのため、育毛効果が謳われるシャンプーを使ったからといって髪が生えるわけではありません。
ただし、シャンプーによって頭皮を清潔に保ち、頭皮環境を整えることは、育毛につながります。
シャンプーに期待できるのは頭皮環境を健やかに保つことです。しっかりと頭皮の汚れを落として、十分に保湿をすることが大切です。
男性の薄毛・抜け毛の原因は?

そもそもなぜ男性が薄毛になるのか気になりますよね。毛髪診断士の齊藤あきさんに、男性の薄毛・抜け毛の原因について解説していただきました。

齊藤 あき
パーソナルビューティープロデューサー・毛髪診断士
男性の薄毛は、男性型脱毛症(AGA)が主な原因といわれています。男性ホルモンの「テストステロン」が5αリラクターゼという酵素によって「ジヒドロテストテロン」に変化し、毛を作り出す毛母細胞にダメージを与えます。
毛母細胞の働きが弱まることで毛周期が乱れ、髪が徐々に細く薄くなっていきます。そのほか、ストレスなどによる血行不良や、食生活の乱れなども薄毛や抜け毛の原因に関係します。
つまり、薄毛改善を目指すためには、シャンプーを使用するだけではなく、生活習慣や食生活の見直しも必要です。
男性向けと女性向けに違いはある?

シャンプーのなかには男性向けと女性向けがありますが、女性向けを使っても効果は同じなのでは?と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それぞれの違いについても毛髪診断士の齊藤あきさんに解説していただきました。

齊藤 あき
パーソナルビューティープロデューサー・毛髪診断士
男性向けは、皮脂をしっかり除去するため洗浄力が高めのタイプや、清涼感のあるものが多いです。また、皮脂バランスを整える成分や殺菌・抗炎症作用のある成分が含まれているものが多く見られます。
女性向けは、洗浄成分は比較的マイルドで、保湿成分や植物エキスが多く含まれているものが多いです。そのほか、髪にツヤを与えるためのコンディショニング成分が含まれている商品もあります。
男性向けと女性向けのシャンプーは、含まれている成分や使用感に違いがあります。スーッとする爽快感や髪をいたわる成分など、男性向けシャンプーの付加価値にも注目しましょう。
男性向けシャンプーの選び方|5つのポイントをチェック
ここからは、男性向けシャンプーの選び方について解説します。シャンプーによって洗浄成分や頭皮タイプ、使用感が異なるため、それぞれの商品の特徴をチェックすることが大切です。
アミノ酸系やベタイン系など洗浄成分で選ぶ

男性向けシャンプーの洗浄成分には、主に「アミノ酸系」、「ベタイン系」、「石けん系」、「高級アルコール系」があります。
皮脂汚れを落としたいからといって、洗浄成分が強い商品を選んでしまうと、頭皮に必要な皮脂を落としすぎてしまい、かゆみやフケなどの頭皮トラブルを起こしてしまう可能性もあります。
肌質にあった洗浄成分のシャンプーを選ぶようにしましょう。成分について気になる方はぜひこちらも確認してみてください。
脂性肌や乾燥肌など頭皮のタイプで選ぶ

頭皮タイプは主に「乾燥肌」と「脂性肌」、「敏感肌」があります。ここでは、それぞれの肌タイプの特徴や、おすすめの洗浄成分を解説していきます。
ご自身の頭皮タイプにあった商品を選ぶことで、頭皮環境のトラブルを防ぐことができます。シャンプーを選ぶときは、頭皮タイプを把握しておきましょう。
脂性肌の特徴
脂性肌は、皮脂が過剰になっているため毛穴詰まりを起こしたり、かゆみや炎症を起こしやすくなるのが特徴です。皮脂が酸化するため、ニオイの原因になる場合もあります。

齊藤 あき
パーソナルビューティープロデューサー・毛髪診断士
皮脂汚れをきちんと落としつつ、抗炎症(グリチルリチン酸2K)や皮脂バランスを整える成分(カキタンニン、イノシトール、ローズマリー油など)が含まれたシャンプーがおすすめです。
洗浄成分は、比較的高めのものを選ぶようにしましょう。石鹸系シャンプーや、硫酸系とベタイン系などがブレンドされているシャンプーがおすすめです。
乾燥肌の特徴
保湿機能が低下して、肌のバリア機能が落ちているデリケートな状態です。かゆみや炎症を起こしやすく、悪化すると乾燥症のフケになる場合もあります。

齊藤 あき
パーソナルビューティープロデューサー・毛髪診断士
乾燥肌タイプの方は、皮脂を取り過ぎず、洗浄成分がマイルドなアミノ酸系やベタイン系がおすすめです。
また、保湿成分(セラミドやヒアルロン酸など)や植物油(ホホバ油、アルガンオイルなど)、パンテノールなどが含まれたシャンプーがおすすめです。
敏感肌の特徴
乾燥肌がひどくなった状態が敏感肌です。乾燥肌と同様に、頭皮のバリア機能が低下しているので、ちょっとした成分でも刺激を受けやすくなります。

齊藤 あき
パーソナルビューティープロデューサー・毛髪診断士
敏感肌タイプの方には、低刺激で保湿力が高いアミノ酸系シャンプーがおすすめです。
また、保湿成分も含まれているシャンプーを選ぶとよいでしょう。敏感肌の方は、防腐剤や香料などでも刺激になりやすいので、無添加でシンプルなものを選びましょう。
医薬部外品と明記のある薬用シャンプーかどうかで選ぶ

シャンプーのなかには、薬用のシャンプーもあります。ここでは薬用シャンプーの特徴を解説します。

齊藤 あき
パーソナルビューティープロデューサー・毛髪診断士
薬用シャンプーには、乾燥や頭皮のべたつきによる痒み(炎症)やフケを抑えるために、抗炎症成分や抗菌成分などの有効成分が使用されています。
商品パッケージに「医薬部外品」と明記されているのが薬用シャンプーです。
成分としては、主にフケやかゆみを抑える抗炎症成分(グリチルリチン酸2K)や抗菌・殺菌成分(ジンクピリチオン、ピンクトンオラミン)などが使用されています。即効性がある反面、使い続けると逆に頭皮の常在菌バランスを乱す場合もあるので、短期での使用がおすすめです。
ただし、医薬部外品は成分名を順不同で記載できるため、配合量が分かりづらいというデメリットもあります。
洗い上がりや香りなどの使用感で選ぶ

シャンプーの洗い上がりや香りなどの使用感も大切です。好きな香りであれば、毎日のケアが癒しの時間にもなります。
ただし、なかには頭皮がスースーするような爽快感で「洗った感」を演出する商品もあります。爽快感のある商品はしっかり洗えている気持ちになりますが、洗浄力や保湿力とは関係がないので注意してください。
コスパで選ぶ

シャンプーは毎日使うものだから価格をなるべく抑えたい方もいるでしょう。また、頭皮にはサイクルがあるため継続して使うことが大切です。
高額なシャンプーを試すのもよいですが、使い続けやすいコスパのよいシャンプーを選ぶのもよいでしょう。
男性向けシャンプーの洗浄成分を知ろう
それでは、それぞれの成分をみていきましょう。
アミノ酸系
低刺激で洗浄成分がマイルドなので、乾燥肌や敏感肌の方におすすめです。しかし、洗浄力が弱いため、丁寧に洗う必要があります。
代表的な洗浄成分には、ココイルグルタミン酸Na、ココイルグリシンK、ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルメチルタウリンNaなどがあります。
ベタイン系
アミノ酸系同様低刺激で肌に優しいので、乾燥肌や敏感肌の方におすすめです。ベビーシャンプーなどにもよく使用される成分で、アミノ酸系とブレンドされることも多いです。
代表的な洗浄成分は、コカミドプロピルベタイン、ココアンホ酢酸Na、ラウラミドプロピルベタインなどです。
石けん系
髪や頭皮にも残留しにくいので、すすぎの際の泡切れもよく脂性肌の方におすすめです。低刺激ですが洗浄力が高く、さっぱりとした洗い上がりです。
しかし、アルカリ性なので髪がきしみやすく、ロングヘアやダメージヘアの方には不向きです。
代表的な洗浄成分は、石鹸素地、カリ石鹸素地、ラウリン酸K、ミリスチン酸K、パルミチン酸などです。
高級アルコール系
皮脂をしっかり除去するため、脂性肌の方におすすめです。
しかし、洗浄力が高く泡立ちがよいため、皮脂を取りすぎて余計に皮脂分泌が過剰になる場合があります。乾燥肌や敏感肌の方には不向きです。
代表的な洗浄成分は、ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Naです。
男性向けシャンプーおすすめ31選|頭皮タイプ別に編集部が厳選してご紹介
ここからは、毛髪診断士の齊藤あきさんが選び方のポイントとしておすすめした成分を参考に、編集部が厳選したおすすめの男性向けシャンプーをご紹介します。
「乾燥肌」、「脂性肌」、「敏感肌」の頭皮のタイプ別にご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
【乾燥肌】男性向けシャンプーおすすめ8選
まずは、乾燥肌向けのおすすめシャンプーをご紹介します。
【脂性肌】男性向けシャンプーおすすめ17選
続いて、脂性肌向けのおすすめシャンプーをご紹介します。
【敏感肌】男性向けシャンプーおすすめ6選
最後に敏感肌向けのおすすめシャンプーをご紹介します。
男性向けシャンプーを使った正しい洗い方
男性のなかには皮脂を洗い流すために、ガシガシと力を入れて髪を洗っている方も多いのではないでしょうか。毎日の洗い方次第では、抜け毛を増やす原因にもなります。
ここからは、シャンプーを使った正しい洗い方をご紹介します。
①予洗い
シャンプーをする前に、まずは髪に付着した汚れを洗い流しましょう。
お湯の温度は、ぬるめの38℃が最適といわれています。髪が短くても2〜3分を目安に、しっかりとお湯で洗ってください。
お湯が熱すぎると頭皮への刺激が強くなり、皮脂を落としすぎて逆に頭皮が乾燥する場合があります。
②500円玉程度の大きさを目安にシャンプー量を手にとり洗う
予洗いをしたら、シャンプーを手にとって髪を洗います。
シャンプーを手にとったら直接頭につけて、ゴシゴシと泡立てる方も多いでしょう。しかし、この方法は、髪や頭皮にとって負担のかかる洗い方なので注意しましょう。
500円玉程度の大きさを目安にシャンプーを出してから、少しお湯を加えて軽く泡立てましょう。
③髪の生え際から頭頂に向かって洗う
髪を洗うときは、髪の生え際から頭頂に向かって、指の腹で頭皮をやさしくマッサージしながら洗いましょう。
頭全体にシャンプーの泡が行き渡るように、全体をまんべんなく洗います。
皮脂を落とそうとして、爪を立てたりゴシゴシと力を入れたりすると、頭皮を傷つけてしまうので気をつけてください。
④時間をかけて洗い流す
シャンプーを流すときは、ぬめりが残らないように時間をかけて洗い流しましょう。ゴシゴシ洗うのではなく、指の腹を使ってやさしくなでるようにすることが大切です。
シャンプーが残ってしまうと、シリコン入りの場合は頭皮への刺激となり、かゆみや抜け毛などの原因になる場合もあります。
⑤ドライヤーは「温風」と「冷風」を使い分ける
ドライヤーをかける前に、バスタオルでしっかりと水分を取ることが大切です。
濡れたまま放置しておくと、髪内部の水分が蒸散し、髪がパサつきやすくなります。また、頭皮が冷えるため血行不良の原因にもなります。
タオルドライするときは、髪の毛にやさしくタオルを押し当て水分を吸収するようにしましょう。ゴシゴシと擦ると、髪や頭皮に刺激が加わってしまいます。
ドライヤーで乾かすときは、全体に風を当てて水分を飛ばしましょう。
ドライヤーは「温風」と「冷風」をこまめに使い分けると、頭皮に負担をかけずに乾かすことができます。
まとめ

今回は毛髪診断士の齊藤あきさん監修のもと、男性向けシャンプーの選び方や、頭皮のタイプ別におすすめ商品をご紹介しました。
シャンプーを使ったからといって髪が生えることはありません。しかし、シャンプーによって頭皮を清潔に保ち、頭皮環境を整えることは育毛につながります。
シャンプーを選ぶときは、ご自身の頭皮タイプにあった商品を選ぶことが大切です。本記事を参考に、お気に入りの1本を見つけてみてください。